重賞競走
'10 ジャパンC G1
'09 朝日杯フューチュリティS Jpn1
'10 神戸新聞杯 G2
'11 京都大賞典 G2
'09 東スポ杯2歳S Jpn3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2010年11月28日 | ジャパンC G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
1 | 2009年12月20日 | 朝日杯フューチュリティS Jpn1 | 中山 | 芝 | 1600 |
1 | 2010年09月26日 | 神戸新聞杯 G2 | 阪神 | 芝 | 2400 |
1 | 2011年10月09日 | 京都大賞典 G2 | 京都 | 芝 | 2400 |
1 | 2009年11月21日 | 東スポ杯2歳S Jpn3 | 東京 | 芝 | 1800 |
2 | 2010年05月30日 | 日本ダービー G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
2 | 2010年10月24日 | 菊花賞 G1 | 京都 | 芝 | 3000 |
3 | 2010年03月21日 | スプリングS G2 | 中山 | 芝 | 1800 |
3 | 2011年01月16日 | 日経新春杯 G2 | 京都 | 芝 | 2400 |
3 | 2011年04月02日 | 日経賞 G2 | 阪神 | 芝 | 2400 |
4 | 2010年04月18日 | 皐月賞 G1 | 中山 | 芝 | 2000 |
4 | 2011年06月26日 | 宝塚記念 G1 | 阪神 | 芝 | 2200 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2009年 | 中央 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 103,834,000 |
2010年 | 中央 | 6 | 2 | 2 | 1 | 1 | 465,004,000 |
2011年 | 中央 | 8 | 1 | 0 | 2 | 5 | 116,830,000 |
2012年 | 中央 | 6 | 0 | 0 | 0 | 6 | 9,000,000 |
2013年 | 中央 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
合計 | 中央 | 25 | 6 | 2 | 3 | 14 | 694,668,000 |
年度 | 表彰情報 |
2009年 | 最優秀2歳牡馬 |
北海道日高町にあるヴェルサイユリゾートファームが目指すのはファーストキャリア、そしてセカンドキャリア終えた競走馬たちにとっての終の棲家。『馬と人が安心して共存共栄ができるような場所』だそうです。その思いは多くの人たちの心に響き、今では20頭を超える馬たちがここで静かに余生を送っています。
そのきっかけとなったのが、今回ご紹介させていただくローズキングダムです。朝日杯フューチュリティSを制し、2009年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出。翌年の3歳クラシック三冠は皐月賞4着、ダービー2着、菊花賞2着とあと一歩のところで涙を飲みましたが、休むことなく敢然とジャパンカップに出走。2位入線ながらも1着馬の降着処分によりジャパンカップ史上初めての繰り上がり優勝馬となっています。
現役引退後は2014年から日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種雄馬となりましたが、怪我のためわずか5年で種雄馬生活にピリオドを打ち、以降はここヴェルサイユリゾートファームでサードキャリアを歩んでいます。
「この牧場のきっかけになった馬ですから1番の古株ということになります。ですが、年が明けてもまだ17歳ですから、ここにいる馬の中では若いほうですね。」
とローズキングダムを紹介してくれたのは白井健一さん。千葉県の乗馬クラブで馬の魅力に取りつかれ、1度は馬の世界から離れたものの、馬が忘れられずにここでスタッフとして働くようになったとのことです。
そんな白井さんはローズキングダムのことを
「プライドが高く、良くも悪くも良家のおぼっちゃま、って感じですね。」
と例えてくれました。
「特別大きな馬ではなく、他を圧するような迫力はありませんが、やはりオーラみたいなものを感じさせてくれる馬です。サラブレッドらしいサラブレッドで、皮膚が薄い馬。硬いブラシを嫌がるのはひとつの例えですが、スタッフに対しては自己主張することがあります。」
しかし、こんな一面も。
「決して媚を売るようなタイプではないのに、訪れるファンの皆様にはとても可愛がられています。賢い馬なので、自分の役割をしっかりと理解しているのかもしれませんね。」
と感心しています。
日が短い冬シーズンは午前6時30分頃から午後3時くらいまでが放牧時間にあてられていますが、そのほとんどを隣にいるタニノギムレット側で過ごしているそうです。現役時代は相まみえることがなかった2頭ですが、やはり選び抜かれたサラブレッド同士。どこか感じあうものがあるのかもしれません。
そんな2頭は、いがみ合ったり、けん制しあったりするというのではなく、お互いがお互いをリスペクトしあっているようにも見えますし、実際、与えられた広い四角形の放牧地で、その1辺だけが芝が剥げて薄くなっているのが確認できます。
「放牧に出すときは嬉しそうだけど、入れるときは嫌がることがある。」
というのは、もしかしたらタニノギムレットと離れるのが嫌なのかもしれません。
撮影当日。この冬としては珍しく氷点下まで気温が下がりましたが、放牧地をトコトコと歩き回り、そしてしっかりとポーズを決めて撮影者を喜ばせてくれました。そんな様子を見ていた白井さんからは
「昨年の夏くらいから、ずっと体調は良さそうで、その分元気になったようです。もともと動くことが好きな馬ですが、最近は以前に比べて脚を汚して帰ってくるケースが多くなりました。」
と、活力にあふれるローズキングダムを頼もしそうに、目を細めています。
そんな白井さんは、とくに20歳を超えたような高齢馬を扱う上で大切なのは
「小さな変化を見逃さないこと。」
と言います。
「歩様や食欲などはわかりやすいですが、それ以外にも馬が出すサインを見逃さないようにしています。さいわい、ローズキングダム含めどの馬も元気で体調に不安はありません。機会がありましたら、馬たちに会いに来てください。」
と優しい笑顔を見せてくれました。