ヤマニンセラフィム

ヤマニンセラフィム メイン画像1 (C)JRA

重賞競走

  • '02 京成杯 G3

プロフィール

  • 父: サンデーサイレンス
  • 母: ヤマニンパラダイス
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雄(セン)
  • 毛色: 栗毛
  • 生年月日:1999年04月13日
  • 母馬所有者: 錦岡牧場
  • 生産牧場: 錦岡牧場
  • 産地: 北海道新冠郡新冠町
ヤマニンセラフィム メイン画像2 (C)JAIRS

Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

毎日元気に過ごしてます。うるさい面がありますので、ファンの方は触らないように気を付けてください。

情報提供者:所有者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)JAIRS 撮影日 2018年11月14日
繋養展示場所
〒059-2341 北海道新冠郡新冠町新和262
 
錦岡牧場
展示時間
14時00分~16時00分
休日
日曜日
連絡予約
3日前まで
見学申込方法
競走馬のふるさと日高案内所 TEL 0146-43-2121
見学方法
希望により案内あり
厩舎内への立ち入り
不可
備考
見学の際は事前連絡をお願いします。
マナーを守って見学をお願いします。

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2002年01月13日 京成杯 G3 東京 2000
1 2001年12月02日 エリカ賞 阪神 2000
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2001年 中央 2 2 0 0 0 16,260,000
2002年 中央 2 1 0 0 1 28,320,000
2003年 中央 2 0 0 0 2 2,700,000
合計 中央 6 3 0 0 3 47,300,000

Stories コラム

2025年1月 ~ヤマニンセラフィムとの再会~

京成杯はかつて芝1600メートルで行われていましたが、1999年に距離が2000メートルに延長され、一気に重要度が増したレースです。昨年はダノンデサイルが、一昨年はソールオリエンスがこのレースをきっかけにクラシックウイナーへと昇り詰めました。

 今回ご紹介するのは2002年に東京競馬場で行われた第42回京成杯優勝馬のヤマニンセラフィムです。父サンデーサイレンス、母ヤマニンパラダイスというキラッキラの良血馬としてデビューし、新馬戦、エリカ賞を連勝し、京成杯に挑みました。このレースは、JRAの重賞競走では史上7例目の1着同着という珍しい決着となったことでも記憶に残されています。
クラシックを目前に骨折の憂き目にあい、そして1年8カ月もの休養を挟んで復帰しますが、今度は屈腱炎に見舞われて現役生活を引退。2004年にレックススタッドでスタートした種雄馬の生活は15シーズンにも及び、その中で菊花賞3着のち阪神大賞典に勝ち、天皇賞・春3着のナムラクレセントや、南関東川崎競馬場の報知オールスターCなど26勝を記録したグルームアイランドなどを送り出して来ましたが、もう間もなく20歳になろうかと言う2018年秋から錦岡牧場で功労馬としての生活をスタートしました。

 日高自動車道の日高厚賀インターチェンジから、車でおよそ20分。26歳となったヤマニンセラフィムが余生を送る錦岡牧場は、創業地である苫小牧市錦岡にその名前の由来があります。
 今回は育成スタッフの岡本吉史さんにご案内をいただきました。
 聞けば、現在のヤマニンセラフィムは24時間放牧。1歳年下の雌馬と同じ放牧地で適度な距離を置きながら過ごしているそうです。
 「元気というか、健康です。どこも悪いところ、心配なところはありません。」と、やや苦笑い。というのも、ヤマニンセラフィムは自分のテリトリーをはっきりと持っているため、人間が近づいてくることに対して非常に神経質な一面があるとのこと。それは、レックススタッドで種雄馬生活を送っていた時も同様で、この馬を取材するときはもちろん、隣の放牧地にいる馬を取材する時にも「とにかく注意してください。」と何度も念を押された記憶があります。

 今は、広めの放牧地を与えられて、悠々自適の日々。動くのは好きだそうで、運動不足とは無縁の日々です。 
 「19歳の秋に筋肉ムキムキの状態で戻ってきたときは驚きました。最初の頃はちゃんと触らせてくれて、手入れなんかもさせてくれていたのですが、なんか嫌なことがあったのでしょうね。」と岡本さん。ある日を境に、人間との距離を置くようになったそうです。「もちろん、無理やり手入れをしようと思えばできるのですが、たぶん馬はそれを望んでいないと思いますし、それがストレスになるようなら逆効果だと思います。」ときっぱり。どことなく、人間社会にも通じるような話で背筋が伸びる思いです。
 「元気と言っても高齢馬です。体のケアはもちろん大切だと思いますが、精神的なケアも同じくらいに大切なものだと思います。不必要なストレスはなるべく取り除いてあげたい。」と少し照れたように話してくれました。 

 そういえば、現役の時も『わがままお坊ちゃま』の一面があって、調教コースに出るときに突然動かなくなって担当者を苦労させていたという記事を読んだことがあります。余談になりますが、産駒にもそういった傾向があって「やんちゃな面を持ち合わせている産駒が多かったような気がします。」と懐かしみます。そんなヤマニンセラフィムですから、放牧地での相棒選びにもずいぶんと苦労したそうで、ようやく今のパートナーと巡り合えたと言います。
 「1頭だと、やっぱり寂しがるのです。今のパートナーは自己主張をしないタイプ。だから、相性が良いのだろうと思います。同じ放牧地に放すようになってから、無駄なイライラがなくなったような気がします。」とのこと。

 なお、見学については日曜日を除く14時から16時までの間で、3日前までに要予約とのこと。そんなヤマニンセラフィムには、毎年多くのファンが会いに来てくださるそうです。訪れる人は「どちらかと言えば現役時代を知るような年代の方が多いような気がします。あまり数を使えなかった馬ですが、覚えてくれる人がいるというのはやっぱり嬉しいですし、この馬の事を好きな人なら大歓迎です。」と白い歯を見せてくれました。
 ただし「見学の際は、絶対に近くには寄らないでください。」とのこと。最後にもう1度、念を押されました。