名馬.jp

テイエムジンソク

プロフィール

父: クロフネ
母: マイディスカバリー
品種: サラブレッド
性別: 雄
毛色: 芦毛
生年月日:2012年04月21日
母馬所有者: 竹園 正繼
生産牧場: 日高テイエム牧場株式会社
産地: 北海道沙流郡日高町

重賞競走

'18 東海S G2

'17 みやこS G3

近況 2023年4月

元気いっぱいに過ごしています。

繋養者情報提供者:

MOVIE

繋養展示場所
〒046-0022 北海道余市郡余市町沢町466~1
 
サンタファーム北海道
Email
craft@kscraft.com
展示時間
10時00分~15時00分
休日
土、日曜日、祝日
見学休止期間
12月 ~ 3月
 
積雪のため
連絡予約
2日前まで
見学方法
案内あり
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
見学の申込みの連絡は、 E-mailでお願いします。
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2018年01月21日 東海S G2 中京 1800
1 2017年11月05日 みやこS G3 京都 1800
2 2017年12月03日 チャンピオンズC G1 中京 1800
2 2017年08月13日 エルムS G3 札幌 1700
1 2016年01月31日 大津特別 1000万下 京都 1800
1 2016年05月29日 東大路S 1600万下 京都 1800
1 2017年05月28日 東大路S 1600万下 京都 1800
1 2017年06月24日 大沼S オープン 函館 1700
1 2017年07月09日 マリーンS オープン 函館 1700
2 2016年06月26日 花のみちS 1600万下 阪神 1800
2 2017年01月05日 初夢S 1600万下 京都 1900
2 2017年02月05日 北山S 1600万下 京都 1800
3 2016年01月17日 五条坂特別 1000万下 京都 1900
3 2016年07月30日 KBC杯 1600万下 小倉 1700
3 2016年12月11日 堺S 1600万下 阪神 1800
3 2017年02月26日 伊丹S 1600万下 阪神 1800
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2015年 中央 6 2 1 0 3 16,450,000
2016年 中央 9 2 1 3 3 57,025,000
2017年 中央 9 4 4 1 0 175,279,000
2018年 地方 2 0 0 0 2 3,200,000
2018年 中央 4 1 0 0 3 56,176,000
合計 中央 28 9 6 4 9 304,930,000
合計 地方 2 0 0 0 2 3,200,000

2024年11月 ~テイエムジンソクとの再会~

かつて連続テレビ小説『マッサン』の舞台にもなったことがある北海道余市町は、高速道路を使えば札幌から約1時間。豊かな自然に恵まれた、人口17,000人ほどの町です。北海道内にあっては比較的温暖で雨が少なく、リンゴやブドウ、サクランボなどを中心とした農業と塩水ウニ発祥の地であり日本海の豊富な資源に支えられた漁業が共存する地域でもあります。また、2011年には『北のフルーツ王国よいちワイン特区』の認定を受け、地元産のブドウを原料としたワインのブランド化にも成功しています。


その町の中心部から車で約10分の距離にあるのはサンタファーム北海道。安心安全な食物で自給自足生活を送ることを目的に、全国3か所で果樹、野菜などの栽培、直接販売などを行っているリジェネラティブ・オーガニック農園です。ここで2017年のみやこステークスと、18年東海ステークスの勝ち馬で、4年間の種雄馬生活を終えたテイエムジンソクが、サードキャリアを過ごしています。


環境への負荷が少ない放牧利用を重視するサンタファーム北海道では、羊や山羊、そして鶏までも一緒に放牧しています。そのような中で、テイエムジンソクは、他の家畜が残した草を食べ、そして歩き回ることで土壌の改善に役立っているのです。 
「テイエムジンソクが移動してきたのは最後の種付けを終えた22年夏です。我の強い馬だと聞いていましたので、最初は慎重に接していたのですが、ここに来てからウマは1頭だけだったせいか、聞いていたよりもずっと大人しく、扱いは楽ですね。」
と同ファーム代表の山田哲史さん。
25年ほど前から多品種の少量栽培を行っており、4年前にここ余市町で『サンタファーム北海道』を開場させました。聞けば、競馬は「大きなレースを見るテレビで見る程度。」だったそうで、実際に馬を飼養するのは初めてとのこと。
それでも
「想像していたよりも扱いは楽ですし、とにかく土壌の改善量がほかの動物に比べて段違いにすごい。今では無くてはならないパートナーです。」
と目を細めています。


この春、そんなサンタファーム北海道に新しい仲間が加わりました。ホッカイドウ競馬からデビューして、南関東のクラシック第1弾『羽田盃』など南関東、ホッカイドウ競馬で6つの重賞含み10勝をあげたヤマノファイトです。現役引退とほぼ同時にサンタファームに移動し、テイエムジンソクとともに放牧地の回復に大活躍しています。


「ヤマノファイトは功労馬繋養支援事業の助成対象馬ではありませんが、縁あってゆずり受けることができました。最後は馬場入場後に右前肢跛行を発症しての引退となりましたので、心配したファンの方が足を運んでくれました。競馬ファンってすごいですね。」
と目を丸くし
「テイエムジンソクはヤマノファイトが来てから、少しだけピリっとした面を見せるようになりましたが、病気ひとつしない健康優良児です。」


そんな2頭が、かつてはサクランボ農園だったという面影を強く残す放牧地でひたすら食べる、食べる、食べる。
今まで多くの引退馬を取材してきましたが、これほど旺盛な食欲を見せる馬は記憶にありません。
サラブレッドは、人間が創りあげた最高の芸術作品などと表現されることもありますが、ここにいるウマたちを見ていると、サラブレッドも自然界が産み出した動物であることを再認識させられます。あらゆるストレスから解放されたウマは、この場所で大事な仕事を与えられ、ゆっくりと過ごす時間を楽しんでいるようにも見えます。


「馬産地からは離れた場所であるにも関わらず、たくさんのファンが来てくれます。」
と山田さんは感心しきり。
「おかげで今ではウマもヒトに慣れて、あまり気にしなくなったようです。逆に、初めて訪れるヒトの方が、(牧柵がない)この環境に驚いています。」
といたずらっぽい笑みを浮かべながら教えてくれました。


「まずはこの場所をきれいな畑に戻し、動物と触れ合える環境を多くの方々に提供したい。それから農地を広げていきたい。そのためには、こうしたウマたちの力が必要なのです。」
ときっぱり。
「競走を終えたサラブレッドが果たせる役割はまだまだあるはず。みんなで考えていきたい。」
と言います。


日本のみならず世界中で関心が高まっている引退競走馬のセカンドキャリアについて、ひとつの解決策が、ここサンタファーム北海道で育まれています。