グランプリボス

グランプリボス メイン画像1 (C)JRA

重賞競走

  • '10 朝日杯フューチュリティS G1
  • '11 NHKマイルC G1
  • '10 京王杯2歳S G2
  • '12 スワンS G2
  • '13 マイラーズC G2

プロフィール

  • 父: サクラバクシンオー
  • 母: ロージーミスト
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雄
  • 毛色: 鹿毛
  • 生年月日:2008年03月28日
  • 母馬所有者: 有限会社 ノーザンレーシング
  • 生産牧場: ノーザンファーム
  • 産地: 北海道勇払郡安平町
グランプリボス メイン画像2 (C)JAIRS

Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

元気にしています。ぜひ会いに来てください。

情報提供者:繋養者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)JAIRS 撮影日 2024年12月19日
繋養展示場所
〒055-0103 北海道沙流郡平取町川向
 
ヴェルサイユリゾートファーム 平取
TEL
01456-2-5655
HP・SNS等
展示時間
09時00分~15時00分
休日
木曜日
見学申込方法
連絡不要 直接訪問可
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
見学の際は、マナーを守ってスタッフの案内に従ってください

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2010年12月19日 朝日杯フューチュリティS G1 中山 1600
1 2011年05月08日 NHKマイルC G1 東京 1600
1 2010年11月13日 京王杯2歳S G2 東京 1400
1 2012年10月27日 スワンS G2 京都 1400
1 2013年04月21日 マイラーズC G2 京都 1600
2 2012年06月03日 安田記念 G1 東京 1600
2 2012年11月18日 マイルChS G1 京都 1600
2 2014年06月08日 安田記念 G1 東京 1600
2 2011年12月17日 阪神C G2 阪神 1400
3 2014年12月14日 香港マイル 1600
3 2011年04月09日 NZトロフィー G2 阪神 1600
4 2014年10月05日 スプリンターズS G1 新潟 1200
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2010年 中央 4 3 0 0 1 116,715,000
2011年 中央 6 1 1 1 3 146,768,000
2012年 中央 7 1 2 0 4 138,432,000
2013年 中央 5 1 0 0 4 56,344,000
2014年 中央 3 0 1 0 2 55,032,000
合計 香港(海外) 2 0 0 1 1 2,300,000
合計 英国(海外) 1 0 0 0 1 0
合計 中央 25 6 4 1 14 513,291,000
年度 表彰情報
2010年 最優秀2歳牡馬

Stories コラム

2025年5月 ~グランプリボスとの再会~

 360度馬たちに囲まれた中で非日常体験が出来る「yogiboヴェルサイユリゾートファーム」は新千歳空港から車で1時間弱。「競走馬の引退後の不安定さを少しでも解決できる様に、そして馬たちがのんびりとその馬生を過ごせる様に」と馬たちにとっての〝リゾート〟を目指して2018年にオープンした牧場です。

 現在では功労馬ほか現役乗用馬や現役種雄馬、現役繁殖雌馬ほか当歳馬や1歳馬などがそれぞれの場所で、思い々々の生活を送っており、2010年のJRA最優秀2歳牡馬グランプリボス(17歳)も、2024年いっぱいで種雄馬生活にピリオドを打ち同年12月から同ファーム本場から2kmほど離れた位置にある「ビラ・ウトゥル分場」で余生を送っています。
 「本場が手狭になってきたから」と、同ファームの岩崎崇文代表がまだ一部建設中の分場を案内してくれました。ここではCMがブレイクしたアドマイヤジャパンや名牝スカーレットレディ、ダンスディレクターなどが、現役種雄馬のオセアグレイトやキタサンミカヅキ、ケイティブレイヴなどに混じって余生を送っています。
 「グランプリボスは、いろいろな経験を積んできている馬だけに移動してきたばかりの頃から落ち着いていました」と岩崎代表が教えてくれました。周囲にはチャカチャカと落ち着かない馬もいる中で「自分を見失うことなく、マイペースで生活しています」との事でした。
 
 現役時代には朝日杯フューチュリティSを勝ち、その翌年にはNHKマイルCに優勝。世代のマイル王となりましたが、その後は活躍の場を世界に求めて欧州遠征も敢行。ロイヤルアスコット開催のセントジェームズパレスSではM.デムーロ騎手を鞍上に迎え、世界の名馬フランケルを相手に堂々と先行するレースで日本の競馬ファンを沸かせ、6歳時の安田記念では世界ランク1位ジャスタウェイをハナ差まで追いつめています。現役引退後は新ひだか町のアロースタッドで種雄馬入り。途中、浦河町に移動して種雄馬生活を続け、その種雄馬生活の中では小倉記念に勝ったモズナガレボシやダートグレート競走「エーデルワイス賞」に勝ったモズミギカタアガリなどを送ってきました。
 
 そんなグランプリボスの現在は朝6時くらいから放牧開始。そして午後2時半から3時くらいまで、周囲を見下ろせる小高い放牧地で過ごしています。周囲3か所を馬に囲まれた放牧地です。あまりほかの馬には関心がないようですが、人懐っこい馬で見学に訪れるファンに方に愛想を振りまくシーンがありました。
 「心身ともに健康な馬という印象です」というのはスタッフの太田さん。聞けば「周囲の馬につられて放牧地を走り回るようなこともほとんど見たことありませんし、泥だらけで放牧地から帰ってくることもあまりありません。手入れの際もおとなしいですよ」との事。それでいて、体を動かすことは嫌いではないみたいで、放牧地をトコトコと良く歩き回ります。

 現在の放牧地は、厩舎から1番離れている場所なので、出すときは1番最初ですが収牧は1番最後だそうです。群れで生活する馬たちは何事に対しても順番があって、とくにエサを与える順番であるとか、厩舎に戻るときなどは1番強いリーダー格の馬から順番に行っていかなければ機嫌が悪くなる馬も珍しくないのですが、グランプリボスはその名前からイメージする姿とは無縁で、そんな争いを横目にゆっくりと順番を待っているそうです。
 「サラブレッドは個性の動物」と言ったのはビッグレッドファームを創設した岡田繁幸さんですが、グランプリボスは「良い意味で個性がないのが個性的」のようです。
 
 しかし、その現役時代は数々のタイトルを手中にし、多くの名勝負を演じてきた馬だけに訪れるファンは多いそうです。明けて17歳。種雄馬時代と比較すると摂取カロリーを控えているために、若干はスリムアップしたものの体形が崩れることなく、薄い皮膚やその下に確認できる筋肉などは種雄馬時代の面影を強く残します。
「格好の良い馬です。現在は周囲を現役種雄馬に囲まれていますが、まったく見劣ることはありません。元気な姿を見てほしいですね」という岩崎代表の笑顔が印象に残る取材となりました。