重賞競走
'06 皐月賞 G1
'06 日本ダービー G1
'07 天皇賞(春) G1
'07 天皇賞(秋) G1
'06 スプリングS G2
'07 産経大阪杯 G2
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2006年04月16日 | 皐月賞 G1 | 中山 | 芝 | 2000 |
1 | 2006年05月28日 | 日本ダービー G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
1 | 2007年04月29日 | 天皇賞(春) G1 | 京都 | 芝 | 3200 |
1 | 2007年10月28日 | 天皇賞(秋) G1 | 東京 | 芝 | 2000 |
1 | 2006年03月19日 | スプリングS G2 | 中山 | 芝 | 1800 |
1 | 2007年04月01日 | 産経大阪杯 G2 | 阪神 | 芝 | 2000 |
2 | 2007年06月24日 | 宝塚記念 G1 | 阪神 | 芝 | 2200 |
2 | 2008年05月04日 | 天皇賞(春) G1 | 京都 | 芝 | 3200 |
2 | 2008年06月29日 | 宝塚記念 G1 | 阪神 | 芝 | 2200 |
2 | 2006年09月24日 | 神戸新聞杯 G2 | 中京 | 芝 | 2000 |
2 | 2005年11月19日 | 東スポ杯2歳S G3 | 東京 | 芝 | 1800 |
2 | 2006年02月12日 | きさらぎ賞 G3 | 京都 | 芝 | 1800 |
3 | 2007年11月25日 | ジャパンC G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
4 | 2006年10月22日 | 菊花賞 G1 | 京都 | 芝 | 3000 |
5 | 2006年12月24日 | 有馬記念 G1 | 中山 | 芝 | 2500 |
1 | 2005年09月18日 | 野路菊S オープン | 阪神 | 芝 | 1600 |
1 | 2005年12月17日 | 中京2歳S オープン | 中京 | 芝 | 1800 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2005年 | 中央 | 7 | 3 | 2 | 1 | 1 | 57,136,000 |
2006年 | 中央 | 8 | 3 | 2 | 0 | 3 | 447,523,000 |
2007年 | 中央 | 6 | 3 | 1 | 1 | 1 | 453,526,000 |
2008年 | 中央 | 5 | 0 | 2 | 0 | 3 | 107,764,000 |
合計 | 中央 | 26 | 9 | 7 | 2 | 8 | 1,065,949,000 |
合計 | 仏国(海外) | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
年度 | 表彰情報 |
2006年 | 最優秀3歳牡馬 |
2007年 | 特別賞 |
2021年秋。
北海道日高町にヒトとウマの距離を縮めるための施設「ひだか・ホース・フレンズ」がオープンしました。
といっても、観光牧場ではありません。
今までまったく経験がないけれども、馬のそばで働いてみたいという人、あるいは日高の生産牧場で働いてみたいという人たちのために「お仕事体験プログラム」それから「就農養成プログラム」の研修コースを用意し、牧場で働こうという人に基本的な馬の取り扱いなどを教えて、馬産業を支えていこうという牧場です。
昨年秋、この「ひだか・ホース・フレンズ」に13年間の種雄馬生活を終えたメイショウサムソンが、イーストスタッドから移動してきました。
現役時代は27戦9勝。
皐月賞とダービーに勝ち、4歳で春秋の天皇賞に勝利。
5歳時には凱旋門賞にもチャレンジした名馬です。
日本競馬史上、8頭の三冠馬を含めて皐月賞と、ダービーを制した馬が春秋の天皇賞を制した例は、この馬だけです。
そんなメイショウサムソンについて、ひだか・ホース・フレンズの村上善巳場長は
「自分の世界観を持っている馬」
と表現してくれました。
とにかく、物事に動じない。
イーストスタッドから移動してきたときも、高齢馬だけに環境の変化に戸惑うのではないかと心配する周囲などどこ吹く風。
まるで、住み慣れた家に帰ってきたような落ち着いた雰囲気を醸し出していたそうです。
そんなメイショウサムソンですが、例えば普段の手入れの時などには「嫌なものは嫌」と、強く主張することもあるそうです。
「基本的には大人しくて、手がかからない馬ですが、何か気に入らないことがあると譲らない一面があります。
さすがGⅠ競走をたくさん勝っている馬だけあってプライドも高いのでしょう。」
そして、マイペース。
たまたま取材で訪れたタイミングが、雪が解けて放牧地には美味しそうな青草の新芽が顔をのぞかせているとはいえ、放牧中、顔を上げることはほとんどありませんでした。
鼻先を地面ギリギリに近づけて、そしてゆっくりと放牧地を歩き回ります。
「人間もそうですが、高齢になってくると若い時のように食べられなくなりますが、この馬は19歳になってもまだまだ元気。
そのため、太りすぎないように注意しながら管理しています。」
取材者として短い時間ではありますが、牧柵を挟んでメイショウサムソンと向き合って気がついたことがあります。
この馬が、人間のことを信頼し、安心して共存できる仲間だと認識していることです。
少しでも美味しそうな牧草を求めて歩き回りながらも、少しずつ人間のいる方向へと近づいてくるのです。
「芯の強さを感じる馬ですね。
馬は、群れで暮らす動物ですが、雄馬同士は仲良くはなりません。
しかし、このメイショウサムソンは、周囲から信頼されているような、そんな気がするのです。」
例えば、隣の放牧地でディープスカイが走り回ってもまったく気にすることはありませんが、メイショウサムソンが何らかの理由で放牧時間がずれるとディープスカイは気を遣うような、そんな素振りが見え隠れするそうです。
もしかしたら、同じダービー馬同士。
そして2008年ジャパンカップでしのぎを削ったもの同士の目に見えない絆のようなものがあるのかもしれません。
そんな村上場長にこれからのことを尋ねると
「縁あってお預かりすることになりましたので、馬が幸せを感じられるように、そして少しでも長生きしてほしい。
そのために人間が出来ることは限られています。
日々の観察はもちろんですが、馬がストレスを感じないように最善の環境を整える。
それに尽きると思います。」
その言葉は、馬への愛情であふれているようにも感じました。