ジョリーダンス

ジョリーダンス メイン画像1 (C)JRA

重賞競走

  • '07 阪神牝馬S G2
  • '09 阪神牝馬S G2

プロフィール

  • 父: ダンスインザダーク
  • 母: ピーターホフズパティア
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雌
  • 毛色: 芦毛
  • 生年月日:2001年04月22日
  • 母馬所有者: 錦岡牧場
  • 生産牧場: 錦岡牧場
  • 産地: 北海道新冠郡新冠町
ジョリーダンス メイン画像2 (C)JAIRS

Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

生まれ故郷に戻ってきて穏やかに過ごしています。

情報提供者:繋養者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)JAIRS 撮影日 2018年11月14日
繋養展示場所
〒059-2341 北海道新冠郡新冠町新和262
 
錦岡牧場
展示時間
14時00分~16時00分
休日
日曜日
連絡予約
3日前まで
見学申込方法
競走馬のふるさと日高案内所 TEL 0146-43-2121
見学方法
希望により案内あり
厩舎内への立ち入り
不可
備考
見学の際は事前連絡をお願いします。
マナーを守って見学をお願いします。

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2007年04月07日 阪神牝馬S G2 阪神 1400
1 2009年04月11日 阪神牝馬S G2 阪神 1400
2 2007年12月16日 阪神C Jpn2 阪神 1400
3 2007年06月03日 安田記念 G1 東京 1600
3 2008年11月01日 スワンS G2 京都 1400
5 2009年05月17日 ヴィクトリアマイル G1 東京 1600
5 2007年05月13日 ヴィクトリアマイル Jpn1 東京 1600
1 2004年10月24日 紅葉特別 1000万下 東京 1600
1 2007年02月24日 韓国馬事会杯 1600万下 中山 1200
2 2004年09月04日 グリーンチャンネルC 500万下 札幌 1800
2 2005年05月01日 晩春S 1600万下 東京 1600
2 2007年01月08日 初富士S 1600万下 中山 1600
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2003年 中央 1 0 1 0 0 2,800,000
2004年 中央 7 3 2 1 1 36,634,000
2005年 中央 3 0 1 0 2 7,298,000
2006年 中央 2 1 0 0 1 10,500,000
2007年 中央 9 2 2 1 4 147,503,000
2008年 中央 9 0 0 1 8 29,704,000
2009年 中央 4 1 0 0 3 65,288,000
合計 中央 35 7 6 3 19 299,727,000

Stories コラム

2025年4月 ~ジョリーダンスとの再会~

今でも牝馬としてJRA平地重賞競走の最高齢勝利のタイ記録ホルダーとしてその名を残すのが、今回紹介するジョリーダンスです。
時代が21世紀を迎えた2001年に新冠町の錦岡牧場で産声をあげたこの芦毛の牝馬は、俳優の小林薫さんを中心とした共同オーナーの所有馬として、2歳12月にデビュー。その初戦は、本馬の父ダンスインザダークの全妹でのちに桜花賞を優勝したダンスインザムードの後塵を拝する結果となりましたが、4戦目に初勝利を記録すると、その後は2着、2着、1着、1着と順調に勝ち星を積み上げました。

その後1年半にも及ぶ休養を余儀なくされたこともありましたが、5歳秋に復帰すると翌年春の阪神牝馬ステークスで重賞初制覇。同年の安田記念では牡馬に交じって3着と好走しています。その後も阪神カップ2着、スワンS3着など芝短距離の王道路線を歩み続け、2009年4月11日、18頭が出走した阪神牝馬ステークスで自慢の末脚を惜しみなく発揮。出走メンバー中唯一となる33秒台の末脚で2年前の同レース以来となる先頭ゴールインを果たしています。8歳牝馬による平地重賞制覇は2002年ガーネットS(優勝馬ブロードアピール)に続くもので「芝、GⅡ競走以上」というカテゴリーにおいては単独となります。
 
現役引退後は生まれ故郷の錦岡牧場で繁殖牝馬となり12頭の産駒を残したのち、2025年から功労馬として新しい生活をスタートさせています。
牧場時代の同馬を知ると言う育成スタッフの鈴木詩織さんにとっては、やはり特別な思いがある1頭のようでした。
「敏感なところがあった馬で、馬場入りを嫌がったり、逆にがむしゃらに走りすぎてしまったりするところがあって苦労させられた思いがあります。正直、当時の自分にとっては難しい馬でしたが、苦労させられた分、活躍してくれた時は嬉しかったです。」と当時を思い出してくれました。
「当時、未熟だった自分にとって〝走る馬〟ってこんなにも乗り味が違うのだということを教えてくれた馬です。ペースがあがると体が沈み込む、その感覚はほかの馬では味わったことがないものでした。もっとも、そういうことを理解したのはずいぶんと後になってからでしたけど。」と少し照れたように話してくれました。「引退して戻ってきた年は受胎するまで育成施設がある本場にいましたが、それからは繁殖分場にいました。久しぶりのジョリーダンスは、年齢を重ねても人懐っこくて、可愛い馬でした」と優しい笑顔を広げてくれました。

ジョリーダンスの子供たちにも携わってきた経験がある彼女は「扱ううえではどの馬も平等ですが、やはり自分が関わった馬の血統馬だということは意識してしまいますし、活躍してくれたら嬉しいです。母親としてのジョリーダンスは、総じて言えば見栄えの良い仔が多かったイメージがあります。厩舎の中では人懐っこいのですが、レースに行くと気難しい面があったようです。例えばジョリーダンスの2番仔テルメディカラカラ(牝、父ハービンジャー)などは威張るわけではないけれど自然と群れの中リーダーになっている。そんなタイプでした。」と懐かしんでおり、この春はその産駒モジャーリオの活躍に目を細めているに違いありません。
 
現在、ジョリーダンスは同世代に生まれて功労馬としては少し先輩のヤマニンシュクル(最優秀2歳牝馬)1歳年下のヤマニンメルベイユ(重賞2勝)と、リードホース的なポニーと同じ放牧地で過ごしています。なかなか豪華な放牧地です。
育成スタッフの村山大河さんによれば「24歳とは思えないくらいに元気で体調面で不安はありません。」と現況を話してくれました。4頭の中ではヤマニンシュクルが一番強いそうですが、「それでも威張るタイプではなく、この4頭は相性が良いと思います。」とのこと。もしかしたら、お互いがお互いをリスペクトしているのかもしれません。 
雪融けも進み、気温が上がってきたことから現在は20時間放牧を行っているそうですが「痩せてくることもありませんし、疲れている様子もなく、むしろ放牧を楽しんでいるみたいです。」とのことで、放牧時間が短かった冬場は、積もった雪の上を思う存分に駆け回るなどスタッフを驚かせていたそうです。

この日、撮影のために村山さんと同じ育成スタッフの桶谷悠太さんが体を綺麗にしてくれていたのですが、手綱を離した5秒後にゴロン。苦笑いを浮かべる2人の前で、それもご丁寧に体の両面だけではなく、顔まで雪融けの泥にこすりつけてリラックスした様子をアピールしてくれました。
「繁殖スタッフから聞いた話では本当に健康な馬で、毎年ほぼ最初の種付けで受胎していたそうです。入社して間もない自分は現役時代のジョリーダンスは知りませんが、この馬の子供たちも丈夫な馬が多かったです。ただ、総じて気の強い面があってそれはきっと母親譲りなのだろうなと思っていました。」と育成スタッフの立場からの印象をお話しいただきました。
「今回の取材で思い出す方もいるでしょうし、初めてジョリーダンスという馬を知る方もいらっしゃると思いますが、馬はとても元気にしています。暖かく見守っていただければ嬉しいです。」とインタビューを締めくくってくださいました。