重賞競走
'03 菊花賞 G1
'02 Rたんぱ杯2歳S G3
放牧の群れの中では順位は下ですが、元気に過ごしています。
イベントではGⅠ馬らしい堂々とした様子が見られ喜ばれています。
(飼養状況確認書より)
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2003年10月26日 | 菊花賞 G1 | 京都 | 芝 | 3000 |
1 | 2002年12月21日 | Rたんぱ杯2歳S G3 | 阪神 | 芝 | 2000 |
2 | 2003年11月30日 | ジャパンC G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
2 | 2004年03月21日 | 阪神大賞典 G2 | 阪神 | 芝 | 3000 |
3 | 2003年06月01日 | 日本ダービー G1 | 東京 | 芝 | 2400 |
3 | 2004年05月29日 | 金鯱賞 G2 | 中京 | 芝 | 2000 |
5 | 2004年06月27日 | 宝塚記念 G1 | 阪神 | 芝 | 2200 |
2 | 2002年11月23日 | 京都2歳S オープン | 京都 | 芝 | 2000 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2002年 | 中央 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 45,026,000 |
2003年 | 中央 | 7 | 1 | 1 | 1 | 4 | 304,218,000 |
2004年 | 中央 | 4 | 0 | 1 | 1 | 2 | 55,516,000 |
2005年 | 中央 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3,600,000 |
合計 | 中央 | 16 | 3 | 3 | 2 | 8 | 408,360,000 |
2003年の菊花賞において、父ダンスインザダークとの父仔制覇を成し遂げたザッツザプレンティが余生を過ごしている南幌ライディングパークは、北海道のほぼ中心部に位置する空知郡南幌町にあります。
ここは、札幌や新千歳空港からほど近く、周囲を千歳川、夕張川、旧夕張川といった河川に囲まれており、肥沃な大地を生かした農業が盛んな地域でもあります。
5歳春の天皇賞を最後に、脚部不安を発症して現役生活を引退。約5年間の種雄馬生活は決して恵まれたものではなかったですが、その後は生まれ故郷の社台ファームにもどって若手騎乗者たちの練習馬として活躍していたそうです。
そして、2017年4月からは、ここ南幌ライディングパークで、1歳年上のアサクサデンエンとともに引退名馬として余生を送っています。
基本的には、放牧のみの生活ですが、飼い葉付けのときは厩舎に戻されて、食事をしています。
「縁あって、2頭をお引取りさせていただくことになりましたが、思うことは2頭とも人間に対して、とても強い信頼感を寄せている馬だということです。
きっと、とても大切にされてきた馬たちなのだと思います。」
と、代表の松井さん。
ただし、そこはさすがに元競走馬で、かつてのGⅠウイナーです。
「健康状態に大きな不安はありませんし、基本的には、とても穏やかな馬です。
人間に対して、何か悪さをするようなことはありませんが、たまに予測できないような動きをするのです。
誰もが簡単に乗れるような馬ではないけれども、年が明ければ20歳という年齢でもありますし、今まで十分に人を乗せてきた馬ですから、ゆっくりさせてあげたいと思っています。」
と話してくれました。
面白いのは、アサクサデンエンには女性ファンが多く、ザッツザプレンティには男性のファンが多いということ。
この日も、遠方に住むファンの方から、ニンジンが送られてきていました。
「2頭は同じタイミングで移動してきたのですが、移動してきた日には、もうファンの方から問い合わせがありました。
種雄馬の時代、そして練習馬の時代には思うように会うことができなかったと、喜んでくれる方がたくさんいらっしゃいます。
こんなにたくさんの方から愛されている馬だということを改めて知る機会にもなりました。」
子供の頃からの競馬ファンだったという松井さん。
テレビでみる競走馬に勇気をもらい、乗馬を通して馬たちに癒され、そして多くのことを励まされてきたといいます。
そんな馬たちに、何か
『乗馬を楽しむと同時に、馬たちが安心して余生を送れる場所を用意したい』
と2007年にこの場所をオープンさせました。
中でも印象的だったのは、周囲を牧柵で囲われているとはいえ、場内を歩き回る馬たちの存在です。
聞けば、預託オーナーの希望だそうですが、この場所を「パーク」として名付けた理由が何となく、分かったようなそんな気もしました。
「馬という動物は、犬や猫のように手軽に家で飼える動物ではありませんが、人生のパートナーとしてともに生きることは可能な動物です。
たくさんの方が抱いている高いハードルのイメージを少しでも下げていきたいし、そのお手伝いがしたい。」
と述べ、ザッツザプレンティに関しては
「みなさんが会いに来てくれたときには、いつまでも元気で過ごしている姿をお見せしたい。」
と話しています。