重賞競走
'02 毎日王冠 G2
'03 AJCC G2
'01 関屋記念 G3
'02 関屋記念 G3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2002年10月06日 | 毎日王冠 G2 | 中山 | 芝 | 1800 |
1 | 2003年01月26日 | AJCC G2 | 中山 | 芝 | 2200 |
1 | 2001年08月05日 | 関屋記念 G3 | 新潟 | 芝 | 1600 |
1 | 2002年07月28日 | 関屋記念 G3 | 新潟 | 芝 | 1600 |
2 | 2003年04月06日 | 産経大阪杯 G2 | 阪神 | 芝 | 2000 |
2 | 2004年04月04日 | 産経大阪杯 G2 | 阪神 | 芝 | 2000 |
4 | 2002年11月24日 | ジャパンC G1 | 中山 | 芝 | 2200 |
1 | 2001年02月25日 | 丹波特別 900万下 | 阪神 | 芝 | 1600 |
1 | 2001年05月20日 | フリーウェイS 1600万下 | 東京 | 芝 | 1400 |
1 | 2001年07月15日 | 朱鷺S オープン | 新潟 | 芝 | 1400 |
1 | 2002年07月14日 | NSTOP オープン | 新潟 | 芝 | 1400 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
1999年 | 中央 | 6 | 0 | 1 | 0 | 5 | 4,050,000 |
2000年 | 中央 | 5 | 2 | 0 | 0 | 3 | 19,850,000 |
2000年 | 地方 | 3 | 2 | 0 | 1 | 0 | 5,425,000 |
2001年 | 中央 | 7 | 4 | 0 | 0 | 3 | 114,009,000 |
2002年 | 中央 | 7 | 3 | 0 | 0 | 4 | 182,575,000 |
2003年 | 中央 | 4 | 1 | 1 | 0 | 2 | 91,254,000 |
2004年 | 中央 | 4 | 0 | 1 | 0 | 3 | 35,832,000 |
合計 | 中央 | 33 | 10 | 3 | 0 | 20 | 447,570,000 |
合計 | 地方 | 3 | 2 | 0 | 1 | 0 | 5,425,000 |
合計 | 香港 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
新千歳空港から車で約40分。幹線道路2本に挟まれた閑静な住宅地からほんの少し入るだけで、まるで異次元空間に紛れ込んだかのような、自然豊かな空間が広がります。ここは札幌市清田区美しが丘のモモセライディングファーム。第44回アメリカジョッキーCCなど、重賞を4勝したマグナーテンが静かに余生を送っています。
取材前日、札幌市は大雪に見舞われました。普段はそれほど降雪量の多い地域ではないこのあたりですが、あたり一面は銀世界。それでも、多くの方が乗馬、あるいは馬との触れ合いを楽しんでいました。
「年が明けたので28歳になりました。おとなしく健康。歯も丈夫ですし、病気ひとつしない元気な馬ですよ。」
マグナーテンを引きながら、代表の百瀬利宏さんが厩舎から出てくると、
「え~、マグちゃんの取材なんですかぁ。良かったねぇ、マグちゃん。嬉しいです。」
と乗馬スタイルに身を包んだ女性が話しかけてくれました。
季節柄、冬毛こそ伸びていますが丸みを帯びた馬体は以前のまま。百瀬さんが放牧地の準備をするために近くにいた女性に手綱をゆだねると、ぐいぐいと女性を引っ張るほど。たったそれだけのことですが、人と人、人と馬との信頼関係が垣間見える瞬間でした。
「長く現役生活を続けていた馬ですから、今でもたくさんの方が会いに来てくれる人気ものです。」
とスタッフの方が誇らしげに答えてくれました。
「実は昨年の夏、現役時代の管理トレーナーであった元調教師の藤澤和雄先生が会いに来てくれたんです。」
と百瀬さん。実は、ここモモセライディングファームには元・藤沢厩舎の馬がたくさん在籍しているのです。
「先生は、マグナーテンだけではなく、下級条件の馬のことまで、本当にすべての馬をよく覚えていました。」
「何百頭もの馬を管理されていたと思うのですが、現役時代からの馬の癖とか体質などが全部頭の中に入っていることに驚きました。マグナーテンと再会を果たしたときは、最後に元気そうだね、よかったねと、馬に声をかけてくださったことが印象に残っています。」
と、その時のことを嬉しそうに話してくれました。
普段、マグナーテンはミニパドックが併設された馬房で自由気ままな時間を過ごしているそうですが、この日は撮影のために放牧地へ。すると、わずか30秒ほどでゴロン。もう1回ゴロン。ひと通り雪遊びを楽しむとスクッと立ち上がり、スタスタ歩き出して、元気の良さをアピールしてくれました。
そんな百瀬さんは高齢馬を扱ううえで大切なのは、特別扱いしないことと言います。
「もちろん、歯が抜けてしまったり、胃腸が弱っている馬に対しては飼い葉を細かく切ったり、柔らかいものを与えるようにしますが、マグナーテンのように元気なうちは年寄り扱いしないことを大切にしています。」
実際、撮影が終わって馬房に戻されたマグナーテンは用意された飼い葉をムシャムシャと音を立てて食べて、取材者を驚かせてくれました。目も、耳も、そして内蔵もすべて元気です。
今回の取材は、どれも印象に残る言葉ばかりでした。その中でも特に印象的だったものは
「マグナーテンのように重賞を勝っている馬も、未勝利馬も同じ馬なんですけどね。」
と百瀬さんがお話しくださった言葉でした。
「ここ(モモセライディングファーム)は乗馬施設ですから、たくさんの未勝利馬がいます。扱ううえではどれも同じです。言葉が通じない相手ですから大変なこともありますけど、それ以上の“癒し”を馬からもらっています。数は多いですが、1頭々々すべての馬が家族のような存在です。」
「マグナーテンとは、もう20年近くの付き合いですから、思い出は尽きませんし、たくさんのものを馬からいただきました。少しでも長く、元気でいて欲しいと願うばかりです。」
と優しい眼差しを馬たちに送り続けています。