重賞競走
'94 小倉3歳S G3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 1994年09月04日 | 小倉3歳S G3 | 小倉 | 芝 | 1200 |
2 | 1997年09月07日 | 朝日ChC G3 | 阪神 | 芝 | 2000 |
3 | 1997年11月09日 | エリザベス女王杯 G1 | 京都 | 芝 | 2200 |
3 | 1997年10月12日 | 府中牝馬S G3 | 東京 | 芝 | 1800 |
1 | 1997年04月13日 | 難波S 1500万下 | 阪神 | 芝 | 2200 |
1 | 1997年05月11日 | 緑風S 1500万下 | 東京 | 芝 | 2400 |
2 | 1995年11月26日 | トパーズS オープン | 京都 | 芝 | 2000 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
1994年 | 中央 | 5 | 2 | 1 | 0 | 2 | 46,497,000 |
1995年 | 中央 | 9 | 0 | 1 | 0 | 8 | 9,264,000 |
1996年 | 中央 | 9 | 0 | 1 | 0 | 8 | 18,706,000 |
1997年 | 中央 | 12 | 2 | 1 | 3 | 6 | 111,295,000 |
合計 | 香港 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
合計 | 中央 | 35 | 4 | 4 | 3 | 24 | 185,762,000 |
アイヌ語で「小高い山」(諸説あり)を意味するという「エ・プイ」に由来するといわれる浦河町にある「絵笛」地区。
かつて、小説の舞台にもなった美しい地区で、今は廃線となってしまいましたが日高本線絵笛駅は、周囲を牧場で囲まれた無人駅として人気スポットにもなっていました。
国道から約5キロ少々でしょうか。
上絵笛に位置する栄進牧場には、1994年の小倉3歳S(現在の2歳S)に優勝し、5歳秋のエリザベス女王杯では3着に頑張ったエイシンサンサンが種雌馬としての生活を終え、同じように種雄馬を引退したエイシンデピュティ、そしてエイシンプレストンなどとともに静かに引退名馬として余生を過ごしています。
エイシンサンサンは現在30歳。
人間でいえばかなりの高齢ですが元気いっぱいです。
同牧場の名古屋唯男さんは
「2歳の早い時期に重賞競走を優勝してくれましたし、種雌馬としてもたくさんの子を生んでくれて、そしてその中からエイシンニーザン、エーシンディーエス、そしてエイシンクリックと3頭の障害の重賞優勝馬を生んでくれました。
こんな馬は、そうはいません。たいへん感謝しています。」
とエイシンサンサンについて話してくれました。
エイシンサンサンとは生まれた時からの付き合いだそうだ。
「もちろん、競走馬を引退して繁殖馬として戻ってくるまでの間は、空白の時間ということになりますが、エイシンサンサンとはかれこれ30年になります。生まれたときはスラっと背が高く、けがや病気をすることなくすくすくと育ってくれました。当時、印象に残っているのは気性が素直で扱いやすい馬だったということ。エイシンサンサンの母エイシンギャロップもそうでしたし、兄弟みんな素直な気性でした。」
と当時のことを話してくれました。
17年間の繁殖生活で生んだ子は15頭。
「受胎、出産、そして子育ての上手な馬でした。
この馬のおかげでダービー(06年=エイシンテンリュー)にもオークス(10年=エーシンリターンズ)にも連れて行ってもらった。一生忘れることのできない馬です。」
と温かい目で見守られています。
エイシンサンサンが小倉3歳Sに優勝した1994年から数えると28年の歳月が流れた2022年。
日本全国で異常気象と呼ばれるような現象が報告されていますが、ここ北海道も例外ではありません。
前線を伴った低気圧の通過により局地的な雨が降り、また30度を超えるような日も何度かありました。
そんな事情も手伝って、エイシンサンサンの放牧時間は、朝早い時間帯のごく一部だけです。
それでも、放牧時間を楽しむというよりも
「早く厩舎に戻してくれ。」
と言わんばかりに放牧地の出口付近を行ったり来たり。
馬がストレスを感じないように、この日の放牧は撮影の間のわずかな時間だけとなりました。
スタッフに手綱をひかれ、厩舎に戻るときのエイシンサンサンが嬉しそうにステップを踏んでいるように見えたのは、人間の勝手な先入観だけではなさそうです。
「年齢を重ねていますが、そのわりには元気にしています。
今は海外からも素晴らしい種雌馬がたくさん輸入されてくる時代ですが、エイシンサンサンのような素晴らしい種雌馬はそうはいないと思います。
エイシンクリックはまだ現役を続けていますし、後継種雌馬もたくさんいて枝葉が広がりを見せていますので、この馬の血を引く馬を競馬場で見つけたときは応援してください。
馬も喜んでくれると思います。」
とインタビューの最後を締めくくってくれました。