重賞競走
'92 安田記念 G1
'93 安田記念 G1
'93 天皇賞(秋) G1
'93 京王杯スプリングC G2
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 1992年05月17日 | 安田記念 G1 | 東京 | 芝 | 1600 |
1 | 1993年05月16日 | 安田記念 G1 | 東京 | 芝 | 1600 |
1 | 1993年10月31日 | 天皇賞(秋) G1 | 東京 | 芝 | 2000 |
1 | 1993年04月24日 | 京王杯スプリングC G2 | 東京 | 芝 | 1400 |
2 | 1992年12月20日 | スプリンターズS G1 | 中山 | 芝 | 1200 |
2 | 1993年12月19日 | スプリンターズS G1 | 中山 | 芝 | 1200 |
2 | 1993年02月28日 | マイラーズC G2 | 阪神 | 芝 | 1600 |
2 | 1992年09月13日 | セントウルS G3 | 阪神 | 芝 | 1400 |
3 | 1992年04月25日 | 京王杯スプリングC G2 | 東京 | 芝 | 1400 |
3 | 1991年04月13日 | クリスタルC G3 | 中山 | 芝 | 1200 |
5 | 1992年11月22日 | マイルChS G1 | 京都 | 芝 | 1600 |
1 | 1992年02月02日 | 羅生門S 1500万下 | 京都 | ダ | 1200 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
1991年 | 中央 | 6 | 3 | 0 | 1 | 2 | 31,517,600 |
1992年 | 中央 | 7 | 2 | 3 | 1 | 1 | 201,636,000 |
1993年 | 中央 | 7 | 3 | 2 | 0 | 2 | 363,056,000 |
合計 | 中央 | 20 | 8 | 5 | 2 | 5 | 596,209,600 |
年度 | 表彰情報 |
1993年 | 最優秀4歳以上牡馬 |
1993年 | 最優秀スプリンター |
1993年 | 最優秀父内国産馬 |
「水色、袖赤三本輪」の勝負服といえばこの馬を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
さかのぼること21年前、天皇賞(秋)(GⅠ)を制したヤマニンゼファーです。
26歳となった彼は現在、生まれ故郷の錦岡牧場で功労馬生活を送っています。
新冠町の奥深い静かな場所にある錦岡牧場は、これまでに1972年の天皇賞(秋)馬ヤマニンウエーブやヤマニンアラバスタ、ジョリーダンス、ヤマニンキングリー、イコピコなど数多くの重賞馬を生産しています。
育成施設も構える牧場内には繁殖雌馬とともに、デビューを目指す幼駒や現役競走馬がいて、功労馬は4頭おり、そのうちの1頭がヤマニンゼファーです。
紅葉が色づく秋晴れの空のもと会ってきました。
「天皇賞(秋)の季節になると、毎年よく取材を受けています。
スピードを意識した配合で生まれ、主に短距離~マイルで強い競馬をしていたので、天皇賞(秋)では芝2,000mをこなせるかが焦点でした。
格式あるレースを勝ってくれて、大きな功績となりました。
現在の健康状態は良好です。
競走馬時代から脚元が丈夫で、息長く活躍してくれましたし、功労馬となってから病気やケガはないですね。
気性は以前より大人しくなりました。
しばらく1頭で放牧していましたが、次第に寂しい素振りを見せ始め、誰かが放牧地のそばを通るとすぐに寄ってくるもので、最近はヤマニンエスコートと一緒に放牧しています。
まさにエスコートという馬名の通りで(笑)。
相性は合っていて、仲良く過ごしています。」
と、近況を話してくれたのは、配合から携わってきた同牧場代表の土井睦秋さん。
現場を指揮する傍ら、“牧場にとって特別な存在”というヤマニンゼファーの生活も大事に支えています。
日頃、世話をしている牧場スタッフの鈴木詩織さんに、ヤマニンゼファーの馬房まで案内してもらいました。
“相棒”というヤマニンエスコートと並びの馬房にいました。
年齢は四捨五入すると30の大台。
さすがに年齢を感じさせる顔つきになってきましたが、全体の体つきはしっかりしていて、毛の感じや目の輝きは生命力に満ちています。
歩く姿もブレがなく、痛いところもないそうです。
鈴木さんは
「歯は年相応になってきましたが、食欲は十分。
太りすぎないように気を付けながら、飼い葉メニューを調整しています。
放牧仲間となったヤマニンエスコートにもなついていて、両馬とも良い関係を築いています。」
と、明るく伝えてくれました。
暑い季節は夜間、寒い季節は日中に放牧しており、雪が降るようになると馬服を着せているそうです。
また、大雨にあてないように、あやしい天気の時は注意しているとのこと。馬産地も昨今ゲリラ豪雨が少なくなく、功労馬たちを守るためにも、空模様のチェックは欠かせません。
この日は放牧に出されるとサッと走り出し、エネルギーを発散してから草を食べ始めていました。
競馬場で歓声を浴びていた頃からは年月が過ぎたものの、さすがはGⅠ馬。
人気は今なお続き、錦岡牧場へ全国からファンが足を運んでいます。
土井さん曰く、
「見学の方は現役時代からヤマニンゼファーを応援している方が多いですね。
レースで高配当を演出したこともあったので、馬券を当ててファンになったり、あるいはそれで競馬が好きになったりという話をよく聞きます。」
見学者は40代が中心で、多い時は2、3組一緒に対面しているとのことです。
放牧地の周りには生い茂った木々があり、遠くに山々も広がり、見学者もリラックスタイムを過ごせそうです。
これまでヤマニンゼファーの産駒は300頭以上が勝ち馬となり、サンフォードシチーは父仔GⅠ制覇まであと少しまで迫りました。
現在は孫世代も成績を伸ばし、ドンクール、ブラウンワイルドがグレードレースを射止めています。
静かな余生とともに、その血を受け継いだ馬たちの快走も楽しみです。土井さんはヤマニンゼファーの長い“馬生”を願っています。
「今後もストレスのない、悠々自適な生活を送って欲しいですね。
ファンの皆さんと会いながら、長生きさせたいです。
競馬はストーリーがあることが魅力の一つですから、引退名馬繋養展示事業は名馬に会えるシステムとして、よく機能していると思います。
これからも継続・発展して欲しいです。」
動画も公開しています「ヤマニンゼファーの近況」からご覧ください。