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トウケイヘイロー

プロフィール

父: ゴールドヘイロー
母: ダンスクィーン
品種: サラブレッド
性別: 雄
毛色: 鹿毛
生年月日:2009年04月22日
母馬所有者: 中村 和夫
生産牧場: 中村 和夫
産地: 北海道浦河郡浦河町

重賞競走

'13 札幌記念 G2

'13 ダービー卿ChT G3

'13 鳴尾記念 G3

'13 函館記念 G3

近況 2024年4月

北海道沙流郡日高町のヴェルサイユリゾートファームで引退名馬として繋養を始めました。

JAIRS情報提供者:

繋養展示場所
〒059-2124 北海道沙流郡日高町庫富734
 
ヴェルサイユリゾートファーム
TEL
01456-2-5655
HP・SNS等
ヴェルサイユリゾートファーム
展示時間
09時00分~15時00分
休日
木曜日
見学申込方法
連絡不要 直接訪問可
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
見学の際は、マナーを守ってスタッフの案内に従ってください
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2013年08月18日 札幌記念 G2 函館 2000
1 2013年03月31日 ダービー卿ChT G3 中山 1600
1 2013年06月01日 鳴尾記念 G3 阪神 2000
1 2013年07月14日 函館記念 G3 函館 2000
2 2013年12月08日 香港カップ 2000
4 2011年12月18日 朝日杯フューチュリティS G1 中山 1600
1 2011年10月30日 くるみ賞 500万下 東京 1400
1 2012年07月22日 火打山特別 1000万下 新潟 1400
1 2013年03月03日 武庫川S 1600万下 阪神 1600
2 2012年08月11日 長岡S 1600万下 新潟 1400
3 2011年09月17日 カンナS オープン 中山 1200
3 2012年04月01日 マーガレットS オープン 阪神 1400
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2011年 中央 5 2 0 1 2 32,300,000
2012年 中央 6 1 1 1 3 31,760,000
2013年 中央 7 5 0 0 2 203,529,000
2014年 中央 2 0 0 0 2 0
2015年 中央 4 0 0 0 4 0
合計 中央 24 8 1 2 13 267,589,000
合計 シンガポール 1 0 0 0 1 135,000
合計 UAE 1 0 0 0 1 0
合計 香 港 1 0 1 0 0 4,840,000

2024年8月 ~トウケイヘイローとの再会~

新千歳空港から、ゆっくり走っても車で60分弱。日高自動車道の日高門別ICから20分弱の場所にあるのがヴェルサイユリゾートファームです。ここでは数々の名馬達がゆったりとした時間の中で余生を過ごしています。


小学生の頃に始めた乗馬をきっかけに馬の魅力に取りつかれたという代表の岩崎崇文さん。現役生活を終えた馬たちの身を案じ、父親が経営していた牧場の一角を使って2018年頃から引退馬牧場をスタートさせました。


牧場の自立化を目指してクラウドファンディングやネーミングライツ契約、そして北海道日高振興局と包括連携協定を締結させるなど、業界の常識にとらわれない発想で徐々に拡大。現在では宿泊施設やカフェなどを備えて『ウマとヒトが共存共栄できる場所』を実現させています。引退した馬はもちろん、種雄馬や繁殖雌馬、その当歳馬、乗用馬など様々な用途の馬たちが暮らしています。


2013年のJRAサマー2000シリーズ王者、トウケイヘイローも8年間の種雄馬生活を終え、2023年秋に移動。引退名馬としての生活をスタートさせています。
「現在、放牧は1日22時間。朝7時くらいから翌朝の5時くらいまで行っています。」
と岩崎代表。集牧された2時間の間に手入れをして、そして馬にケガや異常がないかを確認。無事が確認できれば、再び放牧地へと戻す生活だそうです。


1年ぶりに見るトウケイヘイローは、種雄馬時代からあまり体形に変化がありませんでした。まだまだ15歳。引退名馬としては若手の部類に入りますし、サラブレッドとしても老け込むような年齢ではありません。


「さすがに現役種雄馬時代から見れば少しすっきりしたかもしれませんが、筋肉量などが大きくは変わっていないと思います。まだ去勢をしていないことも関係しているのかもしれませんね。」
と、洗い場につながれた同馬の世話をしながら話してくれました。体についた汚れを落としてもらい、ブラッシング。全国的に猛暑に見舞われた夏は、馬産地日高地方も例外ではなくシャワーがとても気持ちよさそうでした。


現役時代は武豊騎手を背に2013年の函館記念、そして札幌競馬場スタンド改築工事のために函館競馬場で行われた札幌記念を連勝。函館記念と札幌記念の連勝は史上2頭目だったそうです。いずれのレースもマイペースの逃げ戦法から、後続に影をも踏ませぬという個性派サラブレッドでした。また、その年の暮れには香港遠征を敢行し、世界の強豪相手に十分すぎるくらいの見せ場を作って2着。『東京光環』こと『トウケイヘイロー』の名前を世界に知らしめています。


そして、今は広い放牧地で自由を満喫する日々です。隣接する放牧地にはフサイチセブンや現役種雄馬のオセアグレイトがいて、そしてダービー馬のロジユニヴァースの姿も見えますが、
「隣の馬を必要以上に気にすることもなく、自分のペースで生活しています。」
とのこと。


夏はアブなどの虫が多く、馬達は嫌がるため放牧中も対策が必要になります。しかし、トウケイヘイローはさほど気にする様子もなく穏やかに過ごしているそうです。
「逃げるのが上手なのかもしれません。」
と冗談を交えながらトウケイヘイローの現況についてもお話しいただきました。


「人間に対して信頼感がある馬だと思います。」
と岩崎さん。手入れの時には甘える仕草こそありますが、じっと身を委ね、リラックスした表情を見せてくれます。以前は、鼻を触られるのがあまり好きではなかったようですが
「最近はやっと触らせてくれるようになりました。毎日コツコツ、少しずつです。」
と笑います。その短い言葉の裏側には日々の積み重ねと、注がれた愛情が見え隠れします。


「まだ若い馬ですし、長く付き合っていきたいと思っています。そのためには痩せすぎないように、そして栄養過多にならないように気を付けています。格好いい馬は、格好いい状態のままお見せしたいですからね。」
という言葉にも活躍したサラブレッドに対する十分すぎるくらいのリスペクトを感じとれる取材となりました。