モエレトレジャー

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重賞競走

  • '04 彩の国浦和記念(中央交流) G2

プロフィール

  • 父: トレジャーアイランド
  • 母: イブキピンクレディ
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雄
  • 毛色: 鹿毛
  • 生年月日:2001年04月18日
  • 母馬所有者: カナイシスタッド
  • 生産牧場: カナイシスタッド
  • 産地: 北海道浦河郡浦河町
モエレトレジャー メイン画像2

Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

のびのびと過ごしております。是非見学にいらしてください。

情報提供者:繋養者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)JAIRS 撮影日 2021年9月9日
繋養展示場所
〒057-0002 北海道浦河郡浦河町西幌別358
 
ビクトリーホースランチ
TEL
090-3769-1675
展示時間
09時00分~16時00分
休憩時間
12時00分~14時00分
休日
日曜日
見学休止期間
12月20日 ~ 01月10日
 
年末年始
連絡予約
前日まで
見学方法
希望により案内あり
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
見学の際は、マナーを守ってください

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2004年12月01日 彩の国浦和記念(中央交流) G2 浦和 2000
5 2005年01月26日 川崎記念(中央交流) G1 川崎 2100
1 2004年02月24日 しらさぎ賞 浦和 1600
1 2004年09月06日 戸塚記念 川崎 2100
1 2004年10月13日 埼玉新聞杯 浦和 1900
1 2008年08月14日 摂津盃 園田 1700
1 2008年10月02日 姫山菊花賞 園田 1700
2 2008年05月29日 園田フレンドリーC 園田 1230
2 2009年08月20日 摂津盃 園田 1700
2 2010年08月11日 摂津盃 園田 1700
3 2004年01月14日 ブルーバードC 船橋 1600
3 2006年08月16日 摂津盃 園田 1700
3 2009年03月04日 六甲盃 園田 2400
3 2010年02月01日 マイル争覇 福山 1600
3 2010年10月13日 姫山菊花賞 園田 1700
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2003年 地方 6 2 2 0 2 8,140,000
2004年 地方 10 4 0 1 5 78,400,000
2005年 地方 5 0 0 0 5 7,500,000
2006年 地方 8 1 0 1 6 1,860,000
2006年 中央 1 0 0 0 1 0
2007年 地方 5 1 0 1 3 1,920,000
2008年 地方 9 3 2 0 4 10,280,000
2009年 地方 13 0 5 1 7 2,414,000
2010年 地方 14 1 3 2 8 2,870,000
2011年 地方 16 1 1 0 14 1,228,000
2012年 地方 16 2 2 1 11 1,825,000
2013年 地方 14 0 2 2 10 412,000
合計 地方 116 15 17 9 75 116,849,000
合計 中央 1 0 0 0 1 0

Stories コラム

2024年11月 ~モエレトレジャーとの再会~

深い絆で結ばれた1頭のウマと1人の人間がいました。その絆は、やがて周囲の人間の理解とともに広がり、そしてウマの輪、ヒトの輪を深めています。

その話を紹介する前に、少しだけ時計の針を逆戻しさせてください。

モエレトレジャーが彩の国浦和記念(ダートグレード競走)を逃げ切った2004年は、存廃に揺れていたホッカイドウ競馬に在籍していた同期生コスモバルクが弥生賞に勝って皐月賞2着。秋はセントライト記念に勝ってジャパンカップ2着と活躍した年でもあります。
また、12月に阪神競馬場で行われた『ワールドスーパージョッキーズ』に地方競馬代表として出場した大井競馬所属の内田博幸騎手が日本人として最高の総合3位と地方競馬の意地を見せる一方で、暮れには群馬県の高崎競馬場が81年の歴史にピリオドを打つという寂しいニュースもありました。高知競馬の連敗娘ハルウララに武豊騎手が騎乗して話題になったのも、この年でした。まさに、地方競馬にとっては激動の年。そんな年の瀬にモエレトレジャーは、地方競馬所属馬としてJRAからの遠征馬相手を迎え撃ち、4馬身の差をつけて第25回浦和記念(ダートグレード競走)に優勝し、地方競馬の存在感を示しました。
その後、12歳まで現役生活をつづけたモエレトレジャーは通算117戦15勝(重賞6勝)の成績を残して引退。あれから11年。23歳となったモエレトレジャーは現在、浦河町のビクトリーホースランチで引退名馬としての余生を過ごしています。

「引退後は山口県の山口大学馬術部で活躍していたのですが、大学馬術部が一時的に休部となる時期があって馬の行き先を探していたそうです。日高で獣医師として働いていた卒業生が、その事を伝え聞いて引き取ることになったのです。」と教えてくれたのは、ビクトリーホースランチの出戸裕人育成調教部部長でした。この日、その獣医師の方は海外研修中でお話を伺うことはできなかったのですが
「留守中は、私が馬の面倒を見ることになっています。」と、言う出戸さんも北海道大学馬術部時代に総合馬術のパートナーを組んでいた北彗(競走名:メジロゲネシス)を引き取り、ここビクトリーホースランチで余生を過ごさせているからです。
そう書いてしまえば簡単かもしれませんが、ウマとともに就職先、引っ越し先を探すということは容易なことではありません。「ビクトリーホースランチの荻野社長には感謝しかありません。この2頭は自分たちにとって家族、親友というよりも戦友かもしれません。」という言葉の中には馬に対する深い愛情と、これまでの苦労が垣間見えます。
  
出戸さんは、大学卒業後は馬のリトレーニングを主な業務とする乗馬クラブで働いていたそうですが、「馬、とくに若い馬を触っているのが好きなので、今は若馬たちに競走馬として必要な事を教えています。」と目を輝かせます。モエレトレジャーも調教を始めたばかりの1歳馬の先生役として、昨年まで活躍していたそうです。
「今年からは健康を維持するための乗り運動程度にとどめていますが、乗り味の素晴らしさは若い頃からまったく変わっていません。」とちょっぴり誇らしげに話してくれました。
「昨年まではリードホースとして頑張ってくれていたのですが、調教中、1歳馬に抜かれたら抜き返そうとするのです。あれには驚きました。さすが重賞勝ち馬。音に対しても敏感で、気持ちの強さも、相変わらずです。」と頼もしそうです。

それは、普段の手入れの際も同様で「嫌なことは嫌だとはっきり意思表示をしますし、放牧時間になれば嬉しそうにしています。彼らは、本当に賢い動物なのです。もしかしたら馬から学ばせてもらっていることの方が多いかもしれません。最近はゲームなどで馬に興味を持つ方も増えているようですが、せっかく馬を好きになったのなら、もう一歩進んで馬という動物を知ってほしいと思います。」としみじみ語ってくれました。
 
現在は、広めの放牧地でメジロゲネシスとともにゆったりとした時間を過ごしています。健康状態に関しては全く心配ないとのことです。

年に数回会いに来てくれるファンの方もいるそうで「現役を引退してからずいぶんと時間も経っていますが、モエレトレジャーなりに頑張ってきたと思うので、忘れずに会いに来てくれるのはやっぱり嬉しいです。」と相好を崩し「空港からは少し距離がありますし、ここは生産、育成牧場なので見学時間など制約もありますが、近くには有名な観光牧場もあります。今はまだ元気いっぱいですが、馬が元気なうちに会いに来てくれたら嬉しいです。」と目を細めています。
 
なお、モエレトレジャーの見学に関しては『競走馬のふるさと案内所』に必ずご確認ください。