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エンゼルカロ

プロフィール

父: スターオブコジーン
母: ヤマフノーザリー
品種: サラブレッド
性別: 雌
毛色: 鹿毛
生年月日:1997年04月07日
母馬所有者: 白井牧場
生産牧場: 白井牧場
産地: 北海道沙流郡門別町

重賞競走

'99 函館3歳S G3

近況 2021年5月

変わらず元気に過ごしています。是非見学にいらしてください。

繋養者情報提供者:

MOVIE

繋養展示場所
〒089-0241 北海道上川郡清水町熊牛82
 
小野瀬 竜馬
TEL
0156-62-4454
HP・SNS等
リトルブルーファーム
展示時間
09時00分~16時00分
休憩時間
12時00分~14時00分
見学休止期間
01月01日 ~ 03月31日
 
繁殖シーズンのため
連絡予約
2日前まで
見学方法
案内あり
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
場内では、スタッフの指示に従いマナーを守って見学お願いします
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 1999年08月01日 函館3歳S G3 函館 1200
3 1999年09月25日 札幌3歳S G3 札幌 1800
3 1999年11月06日 ファンタジーS G3 京都 1400
1 1999年07月01日 栄冠賞 旭川 1000
1 1999年07月17日 ラベンダー賞 オープン 函館 1200
3 2001年01月13日 淀短距離S オープン 京都 1200
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1999年 地方 2 2 0 0 0 7,000,000
1999年 中央 5 2 0 2 1 64,952,000
2000年 中央 5 0 0 0 5 0
2001年 中央 6 0 0 1 5 6,042,000
2001年 地方 1 0 0 0 1 0
合計 地方 3 2 0 0 1 7,000,000
合計 中央 16 2 0 3 11 70,994,000

2020年7月 ~エンゼルカロとの再会~

地方競馬所属のまま中央競馬へと挑戦し続けるのは容易なことではありません。

希望するレースに出走するためのトライアル競走があって、そこをクリアしないと挑戦権が得られないからです。

当然ながら、トライアル競走のほとんどすべては地方競馬場の深いダートコースで行われます。

希望するレースが芝コースであれば、自然と芝、ダートの二刀流を求められることになります。

かつては、地方競馬所属馬が中央競馬のレ-スに出る場合に検疫を受けなければならない時代もありましたし、今でも様々な制約の中で地方競馬の馬たちは、中央競馬に挑むのです。


完全に移籍すればオグリキャップやハイセイコーのように不自由なくレースを選択できますが、地方競馬所属にこだわったコスモバルクは、出走するたびに北海道から関東、関西の競馬場に移動し挑戦を続けました。

そのコスモバルクの挑戦から4年ほど前に、同じようにホッカイドウ競馬から中央競馬のレースに挑み続けた馬がいます。

それが、エンゼルカロなのです。

今回は、そんなエンゼルカロに会いに清水町の小野瀬 竜馬牧場を訪ねました。

北海道は広い。

札幌から約200キロ、高速道路を使って2時間半。

でも、エンゼルカロはもっと長い距離を輸送してレースに挑み続けたのです。

この馬は、コスモバルクと同様にホッカイドウ競馬でデビューしています。

新馬、そして重賞の栄冠賞に勝利し、当時、函館競馬場で行われていたラベンダー賞へと挑戦します。

初めての芝コース、初めての競馬場、そして初めて対戦する中央競馬のエリートたち。

440キロ台と、決して馬格に恵まれていたわけではないエンゼルカロですが、そのレースで鮮やかな差し切り勝ちを演じます。

高い芝適性を示したことで重賞の函館3歳S(当時のレース名)は2番人気に支持され、そこでは一転した先行策から外国産馬のテネシーガールをハナ差抑えて先頭でゴールへと飛び込みました。

1999年のことです。

この年の1月にはメイセイオペラがフェブラリーSを制していますが、地方競馬に所属したまま中央競馬の芝重賞を勝ったのは1986年のジュサブロー、1991年のジョージモナーク、1995年のライデンリーダーなど数頭しかいません。

そのシンデレラストーリーは当時、多くのマスコミが取り上げ、話題にもなりました。

しかし、エンゼルカロは、輸送が得意ではありませんでした。

道内程度であれば我慢できたのですが、津軽海峡を渡るとなれば馬にかかる負担もずっと大きくなります。

札幌3歳S3着のあとは京都競馬場のファンタジーS3着。

阪神3歳牝馬S9着と成績が右肩下がりになってしまったエンゼルカロは、中央競馬に移籍した後に桜花賞も出走しますが、かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。

現役引退後、生まれ故郷の白井牧場で種雌馬となったあとに繁殖セールに上場されて、ノーザンファームへ。

そしてむかわ町の牧場を経て小野瀬 竜馬牧場へとやってきました。

19歳のときです。


「グランプリボスの仔(競走馬:バッハスピリッツ)を受胎した状態で、やってきました。」

と案内してくれたのは小野瀬晃司さんです。

「その後、不受胎の年もありましたが、22歳となった昨年に、ワンアンドオンリーの仔を出産しました。その産駒を最後に種雌馬を引退して、現在は引退名馬としてここで過ごしています。」

今は、若い種雌馬たちと一緒の放牧地でのんびりと過ごしています。

「若いうちは気が強かった馬らしいですが、今ではおとなしいものです。
1頭だと心細いのか寂しがりますが、たくさんの群れの中ではほかの馬にいじめられることなく、しっかりと存在感を醸し出していますよ。」

今は暖かい季節なので、ほぼ24時間放牧だそうです。

1日に1回は、体調チェックなどの意味を込めて馬房へと戻しますが

「内臓面も含めてまったく心配ないです。
ただ、年齢を重ねていますので少し背中が落ちてきたかなっていうくらいと、冬毛が抜けるのが若い馬に比べると少し遅いかなという程度です。」

というから体調面に不安はなさそうです。

そんなエンゼルカロには熱心なファンの方がいるらしく、小野瀬 竜馬牧場に移動してからも足繁く会いにきてくれるそうです。

小野瀬 竜馬牧場は功労牧場ではなく、生産牧場であり、育成、休養も兼ねる競走馬の牧場です。

「今はコロナ禍ですので、収束したらぜひ、会いに来てください。馬は元気です。」

という言葉をお預かりしました。