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ゴーカイ

プロフィール

父: ジヤツジアンジエルーチ
母: ユウミロク
品種: サラブレッド
性別: 雄(セン)
毛色: 黒鹿毛
生年月日:1993年05月06日
母馬所有者: タイヘイ牧場
生産牧場: タイヘイ牧場
産地: 北海道静内郡静内町

重賞競走

'00 中山グランドジャンプ JG1

'01 中山グランドジャンプ JG1

'00 東京ハイジャンプ JG2

'99 東京オータムジャンプ JG3

近況 2019年4月

2019年4月26日に死亡しました。

JAIRS情報提供者:

繋養展示場所
〒058-0202 北海道幌泉郡えりも町歌別583
 
寺井 文秀
TEL
090-2698-9997
展示時間
10時00分~14時00分
見学休止期間
01月01日 ~ 05月31日
 
繁殖シーズンのため
連絡予約
前日まで
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り
不可

同じ繋養場所にいる引退名馬

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2000年04月15日 中山グランドジャンプ JG1 中山 4100
1 2001年04月14日 中山グランドジャンプ JG1 中山 4250
1 2000年06月10日 東京ハイジャンプ JG2 東京 3300
1 1999年10月24日 東京オータムジャンプ JG3 東京 3300
1 1999年06月26日 福島ジャンプS オープン 福島 3350
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1996年 中央 9 1 0 0 8 5,500,000
1997年 中央 7 0 0 0 7 0
1998年 中央 9 0 0 1 8 3,000,000
1999年 中央 12 3 2 2 5 112,325,000
2000年 中央 6 3 2 1 0 190,031,000
2001年 中央 5 1 3 0 1 134,566,000
2002年 中央 4 1 1 1 1 65,322,000
合計 中央 25 1 0 1 23 8,500,000
合計 中央(障害) 27 8 8 4 7 502,244,000
年度 表彰情報
2000年 最優秀障害馬
2001年 最優秀障害馬

2017年4月 ~ゴーカイとの再会~

かつて、「何もない」と唄われたえりもには、雄大な自然があります。

とくに北海道を南北に貫く日高山脈から続く岩礁群が、太平洋上の波間に消えていく風景は壮観です。

その日高山脈の最南端に位置する豊似岳の麓に、24歳になったゴーカイがいます。

かつて、馬産地えりもの代名詞にもなっていた牧場の跡地で静かに余生を送っています。

まだ春浅い北海道。

シャープな顔と、穏やかな瞳は以前のまま。

気のせいか少しだけ背が低くなったような気もするのは、体全体を覆っている冬毛のせいかもしれません。

与えられているのは、広い、広い放牧地。

その放牧地の中でゴーカイは、あまり動き回ることなく、隣の放牧地にいる1歳馬、出産を控えた繁殖雌馬を静かに見守っています。

1982年のJRA最優秀2歳牡馬ダイゼンキングや、1992年の牝馬クラシック戦線を沸かせたサンエイサンキューなどの生産者として知られている寺井牧場は、ゴーカイの吉橋計オーナーと数十年間にわたって親交があることから、ゴーカイが種雄馬生活を送った11年間、ただの1度も欠かすことなく繁殖雌馬を同馬の下へ送りました。

そんな縁もあって種雄馬生活を引退した同馬を自分の牧場へと引き取りました。

2013年夏のことです。
「ちょうど20歳時の種付けを終えたタイミングでもあったけれども、それ以上に受胎率が落ちてしまった。馬はまだまだ元気だったけれども年々(受胎率が)悪くなってきて、最後の年は1頭だけしか子供が生まれんかった。」
と、寺井文秀さん。


その最後の産駒は寺井さんの牧場で産声をあげています。

それから3年半。

「最近は、少し年齢を感じさせることが多くなったかな。」
とポツリ。


移動してきたばかりの頃は

「気の強い面を見せて、馬房でもうるさかった。
寝藁なんかも、すぐにダメにされちゃったけれども、最近は、大人しいものだよ。」

と少し寂しそうだ。この冬は寒かったせいか、馬房から出たがらないこともあったそうです。

ゴーカイは、サンデーサイレンスの2世代目産駒であるイシノサンデーやダンスインザダークなどと同じ1993年生まれ。

平地競走では芽が出ることなく25戦1勝。

その後、6歳1月に障害に転向すると稀有な素質を開花させます。

引退までの27戦で積み上げた5億224万円4000円は日本の障害馬史上最高の収得賞金であり、2000年、01年のJRA賞最優秀障害馬のタイトルにも輝いています。

特筆すべきことは、その長いキャリアの中でただの一度も落馬、競走中止がないこと。

そして、日本競馬史上でただ1頭だけ障害馬として父仔重賞制覇を成し遂げていることです。

「本当に長い間頑張ってくれた馬だし、種雄馬としても悪くない成績を残してくれた。
ウチもオープンガーデンで重賞(阪神スプリングジャンプ)を勝たせてもらったし、今年に入ってからもアンサーフォンテンが笠松競馬で2つも勝ってくれたよ。」

ほかにも、寺井さんの生産馬ではないが、8歳になったバースフォンテンが南関東の上級特別で2着と気を吐いている。

「本当によい思いをさせてもらった馬。
去勢してから少し肉は落ちたけれども、まだ歯は丈夫。
もう少し長生きできると思う。
幸い、自分も元気なので面倒をみれるうちは、面倒を見たいと思っている。」
と優しい視線を同馬に送っています。


札幌から約3時間半。
距離にして200Kmのえりもで、忘れかけていた日本の馬産の原風景に出会ったような、そんな気がしました。