重賞競走
'96 天皇賞(春) G1
'96 有馬記念 G1
'96 中山記念 G2
'96 オールカマー G2
'95 金杯 G3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 1996年04月21日 | 天皇賞(春) G1 | 京都 | 芝 | 3200 |
1 | 1996年12月22日 | 有馬記念 G1 | 中山 | 芝 | 2500 |
1 | 1996年03月10日 | 中山記念 G2 | 中山 | 芝 | 1800 |
1 | 1996年09月15日 | オールカマー G2 | 中山 | 芝 | 2200 |
1 | 1995年01月05日 | 金杯 G3 | 中山 | 芝 | 2000 |
2 | 1997年04月27日 | 天皇賞(春) G1 | 京都 | 芝 | 3200 |
2 | 1995年02月19日 | 目黒記念 G2 | 東京 | 芝 | 2500 |
3 | 1996年10月27日 | 天皇賞(秋) G1 | 東京 | 芝 | 2000 |
3 | 1994年04月30日 | 青葉賞 G3 | 東京 | 芝 | 2400 |
1 | 1994年11月20日 | 比良山特別 900万下 | 京都 | 芝 | 2200 |
1 | 1994年12月18日 | 冬至S 1500万下 | 中山 | 芝 | 2500 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
1994年 | 中央 | 13 | 4 | 3 | 3 | 3 | 72,285,000 |
1995年 | 中央 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 66,892,000 |
1996年 | 中央 | 5 | 4 | 0 | 1 | 0 | 433,794,000 |
1997年 | 中央 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 54,020,000 |
合計 | 中央 | 21 | 9 | 5 | 4 | 3 | 626,991,000 |
合計 | 仏国 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
年度 | 表彰情報 |
1996年 | 年度代表馬 |
1996年 | 最優秀4歳以上牡馬 |
名馬との再会を求めて新ひだか町・新和牧場を訪れるファンの数は年間700人~800人。
同場にはサクラメガワンダー、サクラスピードオーら、おなじみ〝サクラ〟の冠名をもつ名馬たちが余生を過ごしており、中でも圧倒的な人気を誇るのがサクラローレルです。
名伯楽・境勝太郎調教師が手掛けた最後のGⅠホースであり、1996年JRA賞年度代表馬。
度重なるケガを克服し、強豪ライバルたちに立ち向かう不屈の闘志。
また、前脚を高く上げて、地面を掻き込むように走るダイナミックなフォームは多くのファンを魅了しました。
「この子は当歳の時から境勝太郎先生もたいそう気に入っていてね。
実際、1歳で育成を始めた段階から他の馬とは違うものがありました。
もちろん雰囲気もありましたし、何よりも背中が抜群に良かった。
前脚を掻き込む力が強くて、地面を叩きつけるような走り。
どうしても負担のかかる走法ですが、上半身の柔らかい動きでネガティヴな面を補えていました。」
(新和牧場・谷岡毅社長)
育成が進むにつれて動きはどんどん良くなり、谷岡社長の元には境師から入厩を急がす連絡がたびたび入ったといいます。
「当時、Rainbow Quest産駒の日本競馬への適性は未知数でしたが、境先生はこの馬に関しては確信を持っておられたようです。
いつ見ても〝いいね、いいね〟と褒め言葉しか出てきませんでしたから。」
名伯楽の目にも別格の存在として映っていたサクラローレル。
もちろん、オーナーと新和牧場にとっても思い入れのある、期待の血統馬でした。
「母ローラローラを現役時代にフランスの厩舎で見たことがあるのですが、その時に『こんなにキレイな馬がいるのか。』って思ったのを覚えています。
姿かたち、競走馬としてのシルエットがとても素晴らしかった。
後になってその馬が〝サクラ〟の全オーナーの所有馬であることを知り、驚きましたね。
初年度産駒をイギリスで産んだあと、2年目にRainbow Questを受胎して日本に持ち込まれ、誕生したのがサクラローレルです。」
ターフに映える明るい栗毛は母譲り。
「器量は母ほどではなかった。」
と笑う谷岡社長ですが、男馬らしいゴツさは母以上に頼もしい印象を与えました。
デビューは3歳1月。3戦目のダート1400mで初勝利を挙げると、春には青葉賞で3着に入り、ダービーの出走権利を獲得。
しかし、本番直前に球節炎を発症し、出走を断念せざるを得ませんでした。
3歳秋に戦列復帰して、4歳初戦の金杯(GⅢ)で重賞初制覇。
目黒記念2着のあと、春の天皇賞を目指しますが、最終追い切りで両前脚の深管を骨折する重傷を負います。
1年以上に渡る休養を経て、復帰戦の中山記念(GⅡ)を勝利すると、続く春の天皇賞を制覇。
待望のGⅠ制覇を成し遂げました。
その後天皇賞(秋)では3着に敗れるものの、ジャパンカップを回避して臨んだ有馬記念ではみごと1番人気に応えて優勝しGI2勝目を挙げ、名実ともにトップホースの仲間入りを果たしました。
「現役時代は故障との戦いでしたね。
最後のフランス遠征でも大ケガを負って。
よく無事に帰ってきてくれました。
種雄馬となり、今も元気でいてくれることが、奇跡のようにも思えます。
1日でも長く、元気な姿を見せてほしい。
それが私の願いです。」
サクラローレル目当てのファンが多いから、放牧地は一番目立つ場所。
放牧時間はとくに決まっておらず、その日の天候や気温、季節によって出したり、入れたり。
カイバの量や飼料の内容も谷岡社長とスタッフで相談しながら、その都度調整されています。
「現役時代を知らないスタッフも、あの馬のことが大好き。
名馬ってね、ただそこにいるだけで愛されるんですよ。」
それは唯一無二の存在。
名馬サクラローレルは温かな生まれ故郷で今日も元気に暮らしています。