スエヒロジョウオー

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重賞競走

  • '92 阪神3歳牝馬S G1

プロフィール

  • 父: トウシヨウペガサス
  • 母: イセスズカ
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雌
  • 毛色: 鹿毛
  • 生年月日:1990年04月16日
  • 母馬所有者: 小泉 賢悟
  • 生産牧場: 小泉 賢悟
  • 産地: 北海道新冠郡新冠町
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Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

3年前に行った手術の経過もよく、放牧地で毎日のんびり過ごしています。

情報提供者:繋養者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)BTC
繋養展示場所
〒 北海道新冠郡新冠町
 
展示時間
09時00分~09時00分

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 1992年12月06日 阪神3歳牝馬S G1 阪神 1600
1 1992年11月07日 きんせんか賞 500万下 東京 1600
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1992年 中央 6 3 0 0 3 71,956,000
1993年 中央 5 0 0 0 5 0
合計 中央 11 3 0 0 8 71,956,000
年度 表彰情報
1992年 最優秀2歳牝馬

Stories コラム

2014年12月 ~スエヒロジョウオーとの再会~

 
 今年話題を集めた映画「アナと雪の女王」。
 競馬の世界では古くから「女王」と名のつく雌馬が少なくありません。
 1992年12月6日、阪神3歳牝馬S(現在 阪神ジュベナイルF)(GⅠ)。
 その年にデビューした雌馬No.1を決める熱戦に出走したスエヒロジョウオーは、まさにそのネーミングを持ち合わせた一頭でした。

 400kgを切る馬体ながら、レースでは中団追走から一気に抜け出し、鮮やかに先頭で駆け抜けました。
 ライバルを圧倒したその豪脚は、女王にふさわしい走りでした。

 GⅠ勝ちを引っさげてターフを去った後、スエヒロジョウオーは小泉牧場に里帰りしました。

 繁殖生活に励んで15頭の仔を出産し、2011年秋から引退名馬として生活を送っています。
 
 日頃管理をしているのは牧場スタッフの大谷淳さん。
 晴天に恵まれた師走のある朝、放牧地まで案内してくれました。

 24歳となった馬体は、全体に黒さを増した印象で、季節の移ろいに合わせて冬毛がふさふさと生えています。
 放牧地では娘と一緒に草を食み、歩く姿は高齢を感じさせません。
 
 牧柵から大谷さんが
 「ジョウオー。」
 と呼ぶと、耳を向けて反応し、てくてくと寄ってきます。

 「年齢より若く、体調は良いです。
 以前は同じ引退名馬だったイナズマクロスと放牧していましたが、クロスが昨年亡くなり、少しの間単独で放牧していました。

 その後、寂しい様子を見せていたので、現在は娘のアドマイヤジュエルと放牧しています。
一緒にいると安心しているようで、仲良く娘に寄り沿っています。」
と、コンディションの良さを伝える声が明るかったです。

 しんとした寒さも何のその、気分良さそうに放牧地で過ごしています。
 まもなくすれば頻繁に雪が降り始めるので、その頃には馬服を着せて放牧し、じっくりと春を待ちます。

 現役時代の小柄さはどこへやら、食べっぷりは若馬に負けていません。
「歯はしっかりしていますし、飼い葉は繁殖雌馬と変わらないメニューです。
よく食べるので、時々量を調整するぐらいですよ。」
と、大谷さんは笑います。

 スエヒロジョウオーに会いに来るファン・見学者は年間50人に上る。
初仔で重賞を2勝し、芝中長距離戦でタフに活躍したスエヒロコマンダーがキッカケで、このファミリーを好きになった方も少なくないといます。
 そのスエヒロコマンダーも種雄馬として、ファンタジーS(JpnⅢ)優勝馬イナズマアマリリスを送り出し、血統の底力を示しました。
「見学に訪れる方は、スエヒロジョウオーの現役時代を見ている方、馬券を当てた方、子孫を応援している方が多いですね。
わざわざお手紙をいただくこともあります。
今は栃木県那須郡那須町のブレーヴステイブルにいるスエヒロコマンダーの話も、ファンの方から聞いています。」
と、大谷さん。

 寄せられるお土産話もありがたく思っています。

 牧場には現在、スエヒロジョウオーの娘たちに加えて半妹のタケカワルキューレ、スエヒロコマンダー産駒のイナズマアマリリスなどが繁殖生活を送っています。

 今夏は、生産馬でスエヒロジョウオーの孫アルマワイオリが新馬戦を逃げ切り、オープン特別のもみじSでは差す競馬で快勝。
 祖母を彷彿とさせるような鋭い走りで、暮れの2歳GⅠに照準を合わせています。

大谷さんは、
「芝向きで、早くから動ける母系の特徴が出ていますね。
父の長所も受け継ぎ、大一番に向けて楽しみです。
同じくスエヒロジョウオーの孫で、生産馬のマイネルロブストが以前、朝日杯フューチュリティS(GⅠ)で2着だったので、今度はその悔しさを晴らすような競馬をして欲しいですね。」
と、期待を募らせています。

奇しくも今年から朝日杯フューチュリティS(GⅠ)は開催場を阪神競馬場に移し、縁のある仁川の舞台で祖母の血が騒ぐかもしれません。

血統表を見ると、スエヒロジョウオーの母の父は名馬マルゼンスキー。
GⅠ馬エピファネイアやトーホウジャッカルと同じく、この血が入っていることも魅力の一つでしょう。
リーディングサイアー・ランキング上位を占めるサンデーサイレンス系とも交配しやすい背景もあり、再び一族から大物が飛び出す可能性は十分です。

大谷さんは子孫繁栄に尽力しつつ、誇るべき小泉牧場の女王の余生を大事していきたいと思っています。
「遺伝力の強い血統ですし、次世代でも結果を出していきたいですね。
スエヒロジョウオー自身は健康なので、長生きさせたいです。
訪れるファンの方からはよく“来年また来ます”と言われます。
その言葉に応えられるように、しっかり引退名馬として生活を支えていきたいです。」

動画も公開していますので「スエヒロジョウオーの近況」からご覧ください。