チェリーコウマン
重賞競走
- '92 ウインターS G3
プロフィール
- 父: スプレンデイドモーメント
- 母: チエリーガール
- 品種: サラブレッド
- 性別: 雌
- 毛色: 鹿毛
- 生年月日:1989年04月20日 母馬所有者: フジワラフアーム
- 生産牧場: フジワラフアーム
- 産地: 北海道静内郡静内町
Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?
チェリーコウマンの2009年の産駒のアンバルブライベンが昨年の京阪杯 に続き2月1日に行われた第20回 シルクロードステークス(GIII)に見事優勝しました。
Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件
- 繋養展示場所
- 〒 北海道日高郡新ひだか町
- 展示時間
- 09時00分~09時00分
Pedigree 血統表
Race Record 競走成績
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 1992年12月20日 | ウインターS G3 | 中京 | ダ | 2300 |
1 | 1992年08月16日 | 瀬波特別 900万下 | 新潟 | ダ | 1700 |
1 | 1992年12月13日 | 市川S 1500万下 | 中山 | ダ | 1800 |
2 | 1993年01月06日 | ガーネットS オープン | 中山 | ダ | 1800 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
1991年 | 中央 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 7,100,000 |
1992年 | 中央 | 15 | 4 | 3 | 0 | 8 | 103,038,000 |
1993年 | 中央 | 4 | 0 | 1 | 0 | 3 | 9,272,000 |
合計 | 中央 | 22 | 5 | 4 | 1 | 12 | 119,410,000 |
Stories コラム
2015年9月 ~チェリーコウマンとの再会~
1992年のウインターS(G3)優勝馬チェリーコウマンは、新ひだか町にある朝野勝洋さんの牧場で功労馬生活を送っています。
現役生活を引退し、生まれ故郷・フジワラファームで繁殖生活を送っていたチェリーコウマンは、ダートのOP特別・重賞で好走した
マイマスターピースら、数多くの産駒を出産しました。
その血を受け継いだ娘たちは複数繁殖入り。
14頭目を出産した後、縁あって朝野さんの牧場へやって来ました。
チェリーコウマンは、高齢の域に入りながらも健康状態が非常に良く、朝野さんの牧場に来てからも2頭出産しました。
最後の産駒は「カツゲキミユ」という名前で2歳になり、デビューに向けて笠松競馬場へ入厩しています。
2014年秋、当時当歳だったカツゲキミユを離乳した後、チェリーコウマンは繁殖生活を引退しました。
延べ16頭の子宝に恵まれ、「引退名馬繋養展示事業」の対象馬として功労馬生活を開始しました。
26歳を迎えた今年の秋、まず会ってわかるのは毛ヅヤの良さで、外見上は「本当に26歳?」と思ってしまうほどです。
「特別なことをしているわけではないのですが、馬と会った人から“若返っているのかな”って言ってもらえるぐらい。
食欲旺盛で歯も丈夫ですから、こぼさずに飼い葉を食べています。
寒暖の差も苦にせず、病気やケガはないです。」
と、朝野さんは近況を伝えてくれました。
顔の一部分は少し白くなり、毛が薄くなっていますが、体のラインや肉づき、歩く様子は老いを感じさせません。
放牧地では母レイビスティーの1歳雌馬と、「GRANDAME-JAPAN 2012」2歳シーズン優勝の実績馬で、今年から繁殖生活を送っているカツゲキドラマと3頭で過ごしています。
互いに年齢差はありますが、仲良く寄り添い、リラックスして草を食んでいました。
「放牧地ではリードホース的な存在として、若い馬に安心を与えていますね。
日中を放牧時間としていますが、午前中はよく動いて、午後はゆったりと過ごしています。」
と、朝野さんは紹介してくださいました。
牧場は「農屋馬頭神社」と隣接していて、チェリーコウマンのいる放牧地からは鳥居が見えます。
馬産地には幾多の放牧地がありますが、これほど神社に近い場所で放牧されている馬は珍しいかもしれません。
朝野さん曰く、最近、チェリーコウマンに会いに来る方が増えているそうです。
そのキッカケはアンバルブライベンの活躍でしょう。
チェリーコウマンの14番目の仔として誕生したアンバルブライベンは、卓越したスピードを武器にオープンクラスまで出世し、2014年の京阪杯(G3)、2015年のシルクロードS(G3)を優勝しました。
娘の頑張りで、再び競馬ファンの間でチェリーコウマンの名が知れ渡りました。
「晩年の産駒から重賞馬が現れてくれて、女性を中心に、遠方から見学の方が増えました。
中にはニンジンを持ってくる方も多いですね。
馬のおかげで全国の方と交流できて、ありがたいです。」
と、朝野さん。
大変残念なことに、アンバルブライベンは今年この世を去ってしまいましたが、チェリーコウマンには娘の分まで長生きを願うばかりです。
年齢的には「30」の大台が近づいてきましたが、若馬と一緒に、ごく普通の生活を送っているチェリーコウマン。
約20年の繁殖生活を経て、強靭な肉体は健在です。
加えて、
「本当に扱いやすい馬で、誰が触っても大丈夫。
歩く時は、人に合わせて歩くぐらいですから。」
と、朝野さんは性格の良さも強調します。
心も体も立派な馬。これからも健やかに年齢を重ねながら、訪れるファンを愛想良く迎えてくれるでしょう。