2013年12月 -土佐黒潮牧場で親睦会が行われました-

 
 この夏、日本一暑い場所で有名になった高知県四万十市から北東に約100Km離れた高知県須崎市にある土佐黒潮牧場は、引退馬を繋養する日本でも数少ない牧場です。

 この牧場は、「黒潮友馬会」という会員組織が運営する牧場です。

 現在の会員数は、約160人を少し超える人数になっているそうです。

 牧場を立ち上げたのが1995年、現在18年目、なかなか会員数が増えないため、当初、運営が大変な時期が続いたそうですが、会員数が100人を超えてからは少し経営的にも落ち着いて、現在は代表の濱脇 敬弘さん、奥さまの郁子さん、娘さんの由紀子さん他従業員2名の計5名で運営しています。
 
 
 どのような方が会員になっているか親睦会に出席された方に聞いたところ、
 「クラブ法人で所有していた馬がこの牧場で繋養されることを知り会員になられた方」
 「単勝馬券を購入し、その馬券が当たり、それからその馬のファンになり、その馬がこの牧場で繋養されることを知り会員になられた方」
 「乗馬クラブで第2の人生を歩んでいた競走馬が、肢をケガしたため乗馬として活躍できなくなり、この牧場に繋養されることを知り会員になられた方」
 「新聞等でこの牧場の活動内容を知り、この牧場を訪問してみて活動内容に共感し会員になられた方」
 なかには、実際に競走馬時代の馬主だった方や競走馬時代の厩務員だった方、調教師だった方など実に様々な方が会員になられているようです。

 様々の方が会員ですので、お住まいもバラバラです。東北地方から九州地方までいろいろな地域から来場されていました。
 
 出席者の約8割が女性でした。女性の会員の方になぜ女性の方が多いか質問したところ
 「女性が多いのは、やっぱり母性本能が働くからじゃないかしら」
 と話されていました。

 会員の方は、牧場に到着すると、馬にふれあうばかりか、厩舎作業を手伝う方が多いのにびっくりしました。
 みなさん慣れた手つきで厩舎作業を行っており、楽しそうに作業されていました。

 「厩舎作業を手伝えるのがすごく楽しい」

 と話してくれた会員の方がとても多かったです。

 親睦会は、2日間行われ、親睦会最後に親睦会の一番の催し物である「黒潮記念」が開催されます。

 この黒潮記念ただのレースではありません。走ってしまうと失格になる「常歩」のみのレースです。

 今回出走する馬は、同牧場で繋養されている3頭です。この馬たちは、この牧場では、まだまだ若手に属する馬達です。

 前日には、厩務員だった方が、今回このレースに出走する馬の世話をしたり、調教師だった方が、明日のレースに出走する馬の調教(調教といってもただ馬にまたがり常歩で運動するだけ)を行ったり、その風景を眺めながら微笑ましそうに会員の方が明日のレースの予想をしていました。

 親睦会に出席された方にこの牧場についての感想を伺ったところ、みなさん同じように

 「この牧場で繋養されている馬は幸せだね、少しでもこのような牧場が日本にあればいいのにね」
 と話されていました。


 最後に女性の従業員の方にお話しを伺ったところ

 「この牧場では、馬が話してくれるんですよ、それを聞きながら働けるのがすごく幸せです」

 と話されていました。